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お困り日誌

#023 いちめんのなのはなのおひたし(空腹時にありがちな夢として)


いちめんのなのはなのおひたし(空腹時にありがちな夢として)


桜の季節にふさわしくピンク色の宇宙船に乗り込んだ
ピンクの人々が大きな沼に墜落し、
たくさんの支社を閉鎖に追い込んだのはまだ
皆様の記憶に新しいことと思いますが、
同梱のマニュアルにはこの事件に関する記述はなく、
我々の風化する精神からかろうじて救い出された
痕跡器官のさらに痕跡であるところの
ひじきのような髭の毛根にも似た黒くて
ごにょごにょしたものが記憶の隅にわだかまって
人々をストレンジな感慨にふけらせるのでしたが、
そんないとまもなく次々と押し寄せるトラブルの波に
翻弄され、厨房は大にぎわいでした。
いえそうでもありませんでした。

たいへん失礼しました。
桜の終わりについて考えていたので
少々うわの空になっていたようです。

桜の終わりは、どうしてこんなにも
春の終わりを感じさせるのでしょうか。
散りおちた桜の花びらが地面に敷き詰められ、
川面を埋めて流れてゆく様子は
なにやら小さな秋のようでもあり、
いろんな花々がまだそこら中で咲き誇っているのに、
「桜が終わるまでが春です」といわれたり、
桜の散り始めが五月病の始まりだという人さえいます。

そもそも、桜の季節はほんとうに春なのでしょうか。
本当は春ではなかったものが、人類の遺伝子に
ミトコンドリアが入り込んだように
季節のなかに入り込み、いつのまにかそれが
春だと思われるようになったのではないでしょうか。

本来の春は、ただ強風が吹き荒れるだけの
季節であったかもしれません。
暴風が家や木を吹き飛ばし、それらが隅っこに寄せられて
山となり、そこから新芽や新人たちが姿をあらわす、
そういった荒々しい始まりこそが春の正しい姿だったの
ではないかと、半ば意識を失いながら思うのです。
春一番と呼ばれる強い風、あれこそがその名残りであり
ふたたび本来の姿を取り戻そうとする春の必死の
抵抗に違いない、そんな風に思いながら
確実に眠りのなかに吸い込まれてゆく、
あたたかい春の一日です。
 

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この記事の著者

倉田 タカシ(クラタ タカシ)

「ネタもコードも書く絵描き」として、イラストレーション、マンガ、文筆業、ウェブ制作、Adobe Illustratorの自動処理スクリプト作成など、多方面で活動。
イラストの他に読み札も手がけた「セキュリティいろはかるた」はSEショップより発売中。
河出文庫「NOVA2-書き下ろし日本SFコレクション」...

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