DB 専用マシンExadataで攻勢を掛ける−Oracle
同社のデータ活用製品の中核を担うOracle Exadataの最大の特徴は何と言ってもOracle Databaseを搭載している点だろう。業務システムで圧倒的なシェアを誇るDB製品が利用できるとあって、DWHアプライアンス分野に人々の関心を集めるきっかけになったと評価する声は多い。
もともと、データの整合性を重視したOLTP向けに設計されているため、DWH専用DB製品と比較するとスケーラビリティに課題があったが、Oracleはハードウェアによるサポートで解決を図った。ストレージ・DBサーバー間を高速通信が可能な「InfiniBand」で接続するとともに、検索処理の一部をストレージ側に分担し、キャッシュとして大容量フラッシュメモリをストレージサーバーに用意するなど、RDBMSシステムが抱えるI/Oボトルネックなどをハードウェア側で補っている。「Oracleはより高速なDBをいかに実現するかを考えてきた。結果として行き着いたのがOracle Exadataだ」(日本オラクル 池田真人Exadata担当プロダクトマネジャー)。
ハードウェアによるサポートはOLTPなどにも恩恵をもたらすこともあって、Version 2 からは「OLTP・DWH 両用のDB専用マシン」と位置づけ、最新バージョンではサーバーリソースを最適化する「Quality of Service Management」機能を追加するなど、DB統合基盤として訴求を強めている。
GreenPlum 買収でDWH 市場を狙う−EMC
ストレージ大手EMCもDWH ベンダーの米Greenplum社を2010 年7月に買収後、データ・コンピューティング製品部門を新設し、関連製品の提供を開始した。「他社のソリューションに合わせてディスクを売るだけではなく、その用途を積極的に提案することでビジネスチャンスの拡大を図っていく」(EMC ジャパン 仲田聰部長)。
「EMC Greenplum」の前身である「Greenplum Database」は、PostgreSQL ベースのDWH 専用DB。超並列処理と汎用ハードウェアを組み合わせることによって、数十PB規模のスケーラビリティをアプライアンス製品よりも安価に実現するという基本思想は、2010年12月に国内発表した「GreenplumData Computing Appliance」でも踏襲し、構成機器は全て汎用製品で統一している。「今日のコモディティの性能は十分。ライフサイクルやコストの面では、汎用的な製品を利用する方が有利なケースが多い」(同 仲田氏)。
VMwareの仮想サーバーやCisco、VMwareと共同で提供するクラウド基盤「V-Block」でのGreenplumの稼働も既にサポートし、EMCが持つ重複排除技術をオプション提供するなど、既存資産との相乗効果を狙う。(次ページへ続く)