SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

30年前のレガシーからの脱却、そしてグローバルな財管一致/オムロンのIT構造改革


8月3日に東京・明治記念館で行われた「Oracle EPM & BI Summit」(日本オラクル主催)の基調講演の内容をお伝えする。登壇したのはオムロン グローバルプロセス革新本部 IT革新センタ IT経営構造改革アドバイザー 西阪啓一氏。「グローバルビジネス拡大と加速を支える経営情報活用基盤の構築」と題された講演では、グローバル企業に求められる経営情報/管理領域の取り組みと、それを支えるITの実例が紹介された。

オムロンがグローバル化に向けて着手したIT構造改革

 1933年創業という長い歴史を持つオムロン株式会社は、国内外に3万5,000人以上の従業員を抱えるオムロングループの中核となる企業だ。2011年3月現在の売上高は6,178億円、うち半分は海外市場が占め、海外子会社に勤務する従業員数は2万5,000人近くに上る。この数字を見るだけでも、同社がグローバル化をいかに強く推進しているかがわかる。

 加えてオムロンはこの6月、代表取締役社長に49歳の山田義仁氏が就任、それに伴い大幅に役員人事も刷新された。主力の制御機器部門ではなく、ヘルスケア部門出身の若い山田氏が新社長に抜擢されたのは、同氏がグローバル事業での経験が豊富であることが大きいと言われている。また、新社長就任とほぼ時期を同じくして、10カ年の長期経営構想もスタートした。文字通り"新生・オムロン"として、全社をあげてグローバルでのビジネスに勝機を見出そうとしている姿勢が伺える。

オムロン グローバルプロセス革新本部 IT革新センタ IT経営構造改革アドバイザー 西阪啓一氏
オムロン
グローバルプロセス革新本部
IT革新センタ
IT経営構造改革アドバイザー 西阪啓一氏

 この新しい経営体制を支えるのが、オムロンが数年前から着手してきたグローバル化に向けての"IT構造改革"である。西阪氏はこのIT構造改革の狙いとして

 1.ITコスト関連の総枠を圧縮する
 2.事業変化に対し、柔軟にスピードをもって対応できるシステムとその構築/運用
 3.基幹アプリの陳腐化/ノウハウ継承リスクを解消し、信頼性の高いシステムとする

 という3つを掲げ、これを実現するために「30年前にメインフレームで構築されたレガシーアプリケーションを再構築し、プロセス改革とともにスピードと柔軟性を兼ね備えたオープン系のシステムに全面的に切り替える」という取り組みを開始したという。

 ここでポイントとなるのは、プロセス改革とIT改革をセットで行ったところだ。

 ITシステムの大幅な刷新にあたり、この2つをばらばらに実行してしまうと、プロジェクトそのものが失敗してしまう可能性が非常に高くなる。西阪氏は講演の途中、何度か「仕組みの中に手順を入れる」という言葉を繰り返したが、グローバルで全体を俯瞰する必要があるからこそ、ITにも、決められたプロセス(仕組み)以外では動かないとするほどの統制(ガバナンス)がとれていることが重要になってくる。

次のページ
財管一致のための施策

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3392 2011/08/08 00:56

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング