ExalyticsはインメモリのROLAP、MOLAPマシン
昨日、CEOのエリソン氏によって発表されたExalyticsについても、クリアン氏から改めてデモを交えて紹介があった。「いまBI、OLAPを利用しているならこれ」とクリアン氏。
Exalyticsは、簡単に言ってしまえば、ROLAP(Relational OLAP)とMOLAP(Multi Dimensional OLAP)の分析機能を、インメモリの環境で実現してしまうというものだ。ハードウェア的には、トータル40コアの4ソケットCPUと1TBのメモリを搭載する。ソフトウェア的には、インメモリデータキャッシュのTimesTenのExalytics向け特別版と、OLAPサーバーであるEssbaseのパラレル処理機能を強化したものが搭載される。
TimesTenはすでに実績のあるインメモリのSQLデータベースであり、メモリ上にデータがあるので極めて高速なレスポンスが可能になる。これまではOLTP処理のキャッシュ的な使われ方をしてきたが、今回はそれをExalytics向けにカスタマイズしているとのこと。BI、分析の用途では、すべてのデータが1TBのメモリに載るとは限らないので「どのデータをメモリ上に載せておくべきかを判断するキャッシュ技術が重要になる」とクリアン氏。これについては、Oracle BIツールのアルゴリズの中で、どのデータをキャッシュに置くべきかが明らかなので、その仕組みを使ってデータヒット率の高いキャッシュを実現しているという。
Essbaseは、OLAPの多次元データベースも含めすべてがメモリの上で動くとのこと。Essbaseでは、ストレージ管理レイヤーのアーキテクチャを変更し、パラレル処理を強化した。また、ロックアルゴリズも変更して、パラレルの処理が大幅に高速化したとのことだ。これら工夫の結果、既存システムに対しリード処理ではなんと80倍に、ライト処理でも20倍のパフォーマンスを実現している。
Exalyticsは、Exadataなどで実現したOracle Databaseのデータウェアハウスと連携して使うことが想定、推奨される。とはいえ、ソースとなるシステムはOracle Databaseに限定されるわけではない。IBM DB2、Microsoft SQL Server、Netezza、SAP Business Information Warehouse、Teradataなどをデータソースにしても、高速なレスポンスが可能となる。
また、Exalyticsの極めて高速なレスポンスを活用するには、利用するためのユーザーインタフェイスにも改良が加えられた。いわゆる、条件を設定し検索ボタンをクリックして答えが返ってくるといったものではなく、マウスをインターフェイス上の対象の部分に持っていくだけで、分析結果が次々と切り替わって表示されるようになっている。これは、あらかじめ答えが用意してあり、それを単純に切り替えて表示しているくらいくらい高速なレスポンスだ。実際には、都度検索が後ろでは実行されており、その結果が表示されているのだ。デモでは約2TBのデータを対象にリアルタイムに検索し、結果が瞬時に表示が切り替わって表示される様子が伝えられた。