プライベートクラウドとともに重要になるアプリケーションの可用性
すこし前までは重要なアプリケーションやシステム、たとえばメールサーバなども「クラウドに置くのは危険」といった考え方が一般的だったことはまだ記憶に新しい。その様相が変化したのは2010年ごろ、リーマンショックの影響が深刻化し、"聖域なき"ITコスト削減が多くの国内企業で至上命題となっていた時期と重なる。とくにデータベースとメールサーバの移行が大幅に加速したと星野氏は指摘する。「現在、プライベートおよびハイブリッドクラウド環境で動作するアプリケーションのうち32%がビジネスクリティカルなもの」(星野氏)という調査結果もあるという。
だが、ここにきてクラウドへの移行が頭打ちになってきている傾向がある。SLAの懸念がその主な原因と見られているが、それならば「クラウド上でのアプリケーションの可用性を高めれば解決する」というのがシマンテックの見解だ。
もうひとつ、プライベートクラウドの普及とともに進んでいる現象が(当然といえば当然だが)仮想化だ。IDC Japanの調査(2011年6月)によれば、国内市場においてはプライベートクラウドへの投資の伸びと、ほぼ同じカーブを描いて仮想化製品も伸びているという。
「1つのハードウェアに仮想化されたソリューションをいくつも詰め込み、いくつものサービスを提供するならば、アプリケーションの可用性だけではなくOSそのものの可用性も高めるべき」(星野氏)。
では可用性を向上させるためには何が必要となるのか。星野氏は
- 迅速な障害発見
- 迅速な障害への対処(切り替え)
- 複数のゲストOS環境を含む仮想OSへの対応
が鍵となると指摘する。そしてそれぞれに対応するのが、今回発表された製品の各機能になるという。以下個別に見ていきたい。