ITに期待する効果
基盤系技術22項目で「すでに導入/実施済み」と回答した企業に対して、導入目的について尋ねたところ、「コスト削減」が一番の理由とされたのは「プライベート・クラウド」ほかクラウド全般、「仮想化(クライアント)/シンクライアント」ほか仮想化全般など11項目(同列1位を含む)に及んだ。
「業務効率の向上」が一番の理由とされたのは、「ビジネス・インテリジェンス(BI)」など11項目(同列1位を含む)であり、「業務効率の向上」と「システムの機能/パフォーマンスの向上」が第一の理由として導入されたのは「エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)」、「IPv6への対応」の2項目である。「コスト削減」、「システムの機能/パフォーマンスの向上」、「リスクの低減(セキュリティ対策、災害対策、コンプライアンスなど)」が一番の理由となったのは「ITILの導入」であった(図表7)。
それぞれの導入目的別に、実際に得られた効果を尋ねたところ、「期待を上回る効果を得られた」という回答はわずかであった。しかしながら、「コスト削減」、「業務効率の向上」、「システムの機能/パフォーマンスの向上」について「期待通りの効果」を得られたと回答した企業の割合は半数を超えている。
一方で、「期待を下回る」という回答はいずれの導入目的においても1割前後であり、基盤系技術の導入効果に対する満足度はおおむね高いといえるであろう(図表8)。