外部委託費やソフトウェア費がITコストを押し上げている。ベンダー任せから脱却し、内製化を実現するには?オーバースペックなツールから必要な機能にしぼったツールに移行するには?「ドンキ」や「ユニクロ」が採用した運用管理ツール「ManageEngine」を提供するゾーホージャパンの松本伸也氏が、複雑化するITシステムの運用管理における課題を「従来とは異なる」視点で解決する考え方を紹介した。
LCCとイケアから得たコスト削減のヒント

1996年に米国でベル研究所出身者が設立した会社を母体とするゾーホーグループ。事業の中心となっているのは企業向けIT管理製品「ManageEngine」の提供であり、全世界で5万社を超える顧客を抱えている。その日本法人であるゾーホージャパンの松本伸也氏によるセッションのテーマは、「IT運用管理の運用コスト削減と業務負荷軽減」。
松本氏はまず、課題解決のヒントとして他業界、LCCと家具販売のイケアの事例を紹介した。両者ともコストメリットを提供しているわけだが、イケアは資材の運搬と組み立ては顧客の役目とすることで、LCCはチェックインバゲージ、機内の飲み物、食べ物等を別料金とすることで実現している。この「日本の顧客が慣れてきた、または当然と思っていた、従来のフルサービス提供とは異なるモデル」という考え方は、「IT運用管理のコスト削減にもヒントになる」(松本氏)
IT運用管理のコスト削減、ポイントは「内製化」
まずビジネス環境とIT投資の現状について、経済産業省や(財)日本情報システム・ユーザ協会が公開しているデータから、昨今はIT投資の絶対額が減っていることが分かる。内訳は、およそ開発費が40%、保守運用費が60%
そのため、アウトソーシング先のベンダーを乗り換えるという方法もある。しかし、アウトソース前のリソースをリストラ等で減らさない限り、結局トータルコストは減らない可能性が高い。そこで松本氏が提案する外部委託費を堅実に減らす方法が 「アウトソースしていた業務を内部リソースで巻き取る」こと。つまり「ベンダー任せから内製化へ」だ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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