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O2O成功の本質は送客ではなく「商材力」―CCCのO2O戦略


スマートデバイスの普及で消費者とインターネットの距離が近くなり、EC市場の盛り上がりが期待されている、と前回の記事で紹介した。オンラインに接続された消費者をリアルの店舗に誘導するO2O(Online to Offline)の期待も高まっている。今回はO2Oの事例で度々取り上げられるTSUTAYAを運営するCCCの担当者に話を伺った。

 スマートデバイスの普及で消費者とインターネットの距離が近くなり、EC市場の盛り上がりが期待されている、と前回の記事で紹介した。同時にオンラインに接続された消費者をリアルの店舗に誘導するO2Oの期待も高まっている。

 O2Oとは、従来リアル店舗(オフライン)で完結していた顧客との関係をオフラインと相互に行き交いさせることである。

図:O2Oとは

 「ネットとリアルを融合させる」というコンセプトは、古くはクリック&モルタルと呼ばれ10年以上も前からあった概念だが、近年スマートデバイスやソーシャルメディアの普及でオンラインの接触率が増加してきたことと、デジタルクーポンの発行が簡単になったこと、位置情報を組み合わせることで従来とは異なる新たな集客効果を実現可能ということで、再び注目を集めだした。

 今回はO2Oの事例で度々取り上げられるTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)のTSUTAYAカンパニー広報担当 高橋祐太氏、TSUTAYAカンパニー商品本部 コミュニケーション企画 宣伝/PRチームリーダ 山口秀夫氏に、TSUTAYAの考えるO2Oについて話を聞いた。そこには、O2Oで先行すると思われるTSUTAYAの苦悩が見えてきた。

ディレクTVの失敗

 1985年、世の中がバブルに差し掛かり、誰もが大量消費の時代はまだまだ続くと信じていた時代。しかし、誰もが「モノ」を求めていた時代に、「モノ」を求める時代から「情報」を求める時代が訪れる、そんな兆しを感じている人物がいた、カルチュア・コンビニエンス・クラブの創業者、増田宗昭氏がその人物だ。

 増田氏は「新しいライフスタイルに必要な“情報”を一つの場所で提供する拠点」を作りたいとの思いで、ビデオやレコードのレンタル、書店を複合した「TSUTAYA」が大阪枚方で創業する。映画や音楽や本が一つの店舗で手に入る場所というこの発想は大ヒットし、その後、フランチャイズによって店舗数をを拡大させていった。

 時代を予見し、順調に拡大を続けたCCCだが、1997年転機が訪れる。

 1997年12月CCCはパナソニック、大日本印刷、三菱電機、三菱商事、徳間書店らと共同でディレクTV(DIREC TV)の日本放送を開始する。店舗事業のノウハウを元に「ダイレクトにエンターテインメントを家庭に届ける」という大胆なビジネスモデルの拡大はサービス開始から一年弱が経過し、ライバルのスカイパーフェクTV!に加入世帯数で4倍以上の大差をつけられる状態となり、CCCは経営の中心をしりぞくことになる。

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背水の陣でO2Oに挑む

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この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

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