SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

イノベーションを可視/加速化する「ビジネスアーキテクチャー」集中講義

オンラインとオフラインのチャネルを組み合わせて価値提案を高めよう

(第8回) 

前回は、顧客インターフェースの1つ目の要素である「ターゲット顧客」についてお話ししました。今回は、2つ目の要素である「チャネル」についてご説明していきましょう。過去の連載は、こちらから。

マルチチャネルの統制-「何を売るか」から「どのように売るか」へ

「何を売るか」から「どのように売るか」へ

 「メーカーのロゴを取ってしまったら、どのメーカーのデジタルカメラなのか、家電量販店の店員でも分からなくなってしまうことがある。」

 あるコメンテーターが、数ヶ月前のニュース番組でこんなことを言っていました。今や、プロダクトやサービスそのもので持続的な差別化を図っていくことは難しくなってきています。それは、1.需要を恒常的に上回る供給、2.他社による模倣が容易になったこと、3.プロダクトライフサイクルの短命化などが理由として挙げられます。

 今回のテーマは、「チャネル」です。現代においてチャネルはプロダクトやサービスと同じくらい、あるいは業界によってはそれ以上に重要なビジネス要素となっています。つまり、「何を売るか」だけでなく、「どのように売るか」がビジネスモデルにとって不可欠な要素となってきています。チャネルの存在意義は、従来の販売拠点の量的確保から顧客交流の質的改善へ変わりつつあります。

 まずは、今回の論点を整理しておきましょう(図1)。

図1.チャネルに関する論点

マルチチャネルの統制がキーとなる

 皆さんは、チャネルというと何を思い浮かべますか?店舗、ホームページ、コールセンター、テレビ広告や折込みチラシ、営業マン、宅急便などといったところでしょうか。また、飲料メーカーにとっての自動販売機、郵便局にとってのポスト、銀行にとってのATMは重要なチャネルです。さらには、FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークサービスを重要なチャネルとして位置付けて、顧客との交流を図る企業も増えてきました。

 インターネットをはじめとする情報技術とネットワークの発展により、企業のもつチャネル数は格段に増えています。複数のチャネル間の統制不足はチャネル間のコンフリクトを起こす一方、高度に洗練されたチャネル設計はプロダクト以上の競争優位をもたらす場合さえあります。

 次に、チャネルの定義と属性を確認していきましょう(図2)。

図2.チャネルの定義と属性

 チャネル属性の保有タイプは、自社所有、サードパーティ、ハイブリッドの3つに分類することができます(図3)。

 チャネルを自社で持つか否かはチャネル戦略の重要なテーマの1つですが、それは主にコストとコントロールのトレードオフとなります。もちろん、2つのチャネルタイプを使い分けている企業も存在します。たとえばAppleは、アップルストア(直営店)とサードパーティ(家電量販店)の双方のチャネルを上手く使い分けながらビジネス展開しています。

図3.チャネルの保有タイプ

 ハイブリッドとは、自社保有とサードパーティの中間に位置するものです。スターバックスの店舗はほとんどが直営店である一方、ドトールの店舗の多くはフランチャイズです。最近では、ビックロ(ビックカメラとユニクロの共同店舗)のような新しい形態、あるいは特定のテーマをもった複合店舗のような形態も多く現れてくるかもしれません。

次のページ
複数の役割があるチャネル-各機能を表す「リンク」と購買サイクルとは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
イノベーションを可視/加速化する「ビジネスアーキテクチャー」集中講義連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4690 2013/04/17 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング