バリバリの営業マンを目指して!
「経済学部だったので、就活では営業職しか考えていませんでした」
ITには元々興味があり、学生時代は流行に乗りアフィリエイトもやってみた。調子のいいときは月に数万円ほどの収入を得たという。Webデザインの知識があったことに加え、商売上手なところがあるのかもしれない。だが、それを職業にするだけの自信は全くなかった。
地元が宮城ということもあり、仙台営業所で採用を行っていたアシストに応募し内定を得た。面接で「営業になりたい」と積極的にアピールしていたので営業職に配属されるものと信じていたのに、入社式で耳にした配属先はデータベース事業部。アシストにとってデータベース事業は長年手がけている柱なので、不名誉なことではない。しかし営業職しか考えてなかった若者はただただ困惑した。
さらに同じ部署に配属された同期の中には「このまま残って技術に進むか、営業に転向するか」を確認する面談があったとか。営業からの「お誘い」という機会のようなもの。もし関さんにその機会があれば敗者復活をかけて「営業がいいです」と即答したかもしれない。しかしなぜか関さんを勧誘する営業は誰もいなかった。関さんは「(あれだけアピールしたのに)もう営業への道は閉ざされた」と落胆しながらも、「それならこれからはデータベースをやっていこう」と気持ちを切り替えた。
OJTに入り、関さんの面倒をみてくれた先輩は厳しい人だった。いわばスパルタ。関さんに難しい課題を与え、かつ「質問は1日に1回」と制限し自力で解決するように促した。新人なので分からないことにも多く直面したが、関さんは必死で書籍や資料をあさって調べていたそうだ。課題の中には市販の書籍には載っていないインターナルなものもあり、『調べ方』を調べるところからスタートした。周囲からみると「黙々と課題に取り組むタイプ」に見えたとか。
関さんは後に採用担当に内定をとれた理由を聞いたことがある。なにを期待されて採用されたのか知りたかったのだろう。営業ではないならなんなのか。答えは「普通にどまんなか」。これを聞いた本人はどう解釈すればいいか悩んだ。「これといって特徴や魅力がなく、ぴったりの部署がなかったから消去法でデータベース事業部に配属されたのでは」と推測し自信を失いかけていたが、実は逆。アシストは関さんの能力を見抜いていた。