変動費の特徴と内容-使えば使うほど付加価値が減少する
変動費は、2つの特徴を持っています。1つ目は、みなさんがよくご存知のとおり、売上高や販売数量に比例して増減する費用です。2つ目は、外部から購入した価値(費用)ということです。
変動費になる勘定科目を整理すると次のようになります。
1:製造部門、ソフト開発部門などで発生するもの(製造原価になる)
- 材料費、外注加工費、業務委託費(ソフト制作の委託など)
2:販売部門等で発生するもの(販売費一般管理費になる)
- 売上原価⇒商品売上原価、仕入に関連する運送費の負担分
- 販売費 ⇒発送配達費、容器包装費、消耗品費
- 特許使用料、ロイヤリティなど売上に応じて支払うもの
2つ目の特徴である、「外部から購入した価値(費用)」に注目すると、売上高から変動費を控除した「限界利益」は、会社内部で生み出した「価値(付加価値)」と考えることができるのです。
この特徴から、変動費を使えば使うほど、付加価値は減少していくことがわかります。ソフトウェア会社は、本来、人件費が多い固定費型の業界ですが、他社に、開発の業務委託費を支払えば支払うほど、自社の限界利益(率)は小さくなります。これは売上高に対する付加価値の割合が小さくなることです。もし戦略的に高付加価値を目指すなら、ソフトウェア開発の内製化率を高めなければなりません。製造業やハウスメーカーなども同様の課題を抱えています。