SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

イノベーターの本棚

イノベーション創出のための4ステップ-各ステップで役立つ「58のツールを備えた道具箱」

(第7回)イノベーションに効く洋書03:“The Innovator's Toolkit: 50+ Techniques for Predictable and Sustainable Organic Growth”


連載の第1回、第2回にて、“Ten Types of Innovation: The Discipline of Building Breakthroughs”を紹介しました。とかく実態がつかみにくいイノベーションを「10の型」に分類するという点で秀でた本でした。でも、「10の型」といのは出来上がった結果であり、どのようにイノベーションを興すのかという疑問への解にはなりません。今回は、イノベーションプロセスの前半である「イノベーション創出プロセス」に関して、58の道具箱(ToolKit)としてまとめた、“Innovator's Toolkit”を紹介します。

イノベーションの「10の型」はチェックリストである

 前回の ”The 10 types of Innovation” の記事については、いろいろな反応をいただきました。幸いなことにIIT Institute of Designで実際にこの本の著者の講義を受けているという方からもご連絡をいただきました(その方の留学記はIIT Institute of Design留学記から読むことができます)。

 このコンセプトをどのように使っているのかという話しになり、この「10の型」をチェックリストとして使っていると教えていただきました。たしかに、この「10の型」を使えば、自社、あるいは取り組んでいる事業のどの部分が優れているのかのチェックができると共に、「平均点」以下になっている部分がないか確認する際に役に立ちそうです。

 マイケル・トレイシーとフレッド・ウィアセーマは『ナンバーワン企業の法則』(日経ビジネス文庫;現在は絶版)において、価値基準として「オペレーショナル・エクセレンス」、「製品リーダー」、そして「カスタマー・インティマシー」という3つの基本戦略があると紹介しています。3つの基本戦略の詳細は書籍やその他の解説に譲りますが、企業はこれら3つの基本戦略のうちどれかに注力をして差別化を図ると同時に、それ以外は少なくとも平均水準以上であることを目指さなければなりません。

 トレイシーとウィアセーマが主張するこの3つの基本戦略は、「10の型」の枠組み、特に大きな3つの分類(「基本構造」、「提供物」、「経験」)に通じるものがありますね。

イノベーターのための道具箱は、イノベーション創出のプロセスに効く

The Innovator's Toolkit
by David Silverstein,Philip Samuel,Neil DeCarlo
画像参照:John Wiley & Sons, Inc ホームページより

 「10の型」がチェックリストとして使えるとなると、気になるのは、ではどうやってその前の段階、つまりイノベーションを興すための取り組みを行うのかというところです。もちろん、それが簡単にわかれば多くの企業は苦労しないわけですが、実際の現場においては、日々紹介されるさまざまな理論をひとつずつ、じっくりと時間をかけて研究をするというわけにもいかないでしょう。

 そこで今回紹介するのは、イノベーションを生み出すための手法を気軽に知るための本としてお薦めの『The Innovator’s Toolkit』です。

 本書にはイノベーションを実現するために利用できる58の手法が紹介されています。もともと2008年に初版が出ているのですが、2012年には改訂版が出ています。本家のAmazon.comでもなかなかの評判の一冊です。

 紹介されている58の手法はイノベーションを興すための4つのステップ(後述)に基づいて分類されています。手法のひとつひとつの紹介は数ページ程度で、その手法の概要と具体的な利用手順、そしてより詳しく知りたい場合の参考文献が紹介されています。

 まずはこの本を読んで、どういう手法があるのかという全体像を頭に入れた後、特に使えそうだと思う手法を取り上げ、個別の本や論文などに当たるというのが良い使い方かもしれません。手法の紹介ページは図も多く、参考文献に当たらずとも、この本だけで理解することももちろん可能です。

 58の手法が具体的にどういうものかについては、本書の公式Webサイトに目次が載っていますので、そちらを参照してください。

次のページ
「The Innovator’s Toolkit」が定義するイノベーションプロセス

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
イノベーターの本棚連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

新井 宏征(アライ ヒロユキ)

SAPジャパン、情報通信総合研究所を経て、2013年よりプロダクトマネジメントに特化したコンサルティング会社である株式会社スタイリッシュ・アイデアを設立。2006年に『プロダクトマネジャーの教科書』を翻訳出版後、企業に対するプロダクトマネジメントの導入や新規事業開発、製品開発の支援を行っている他、「プロダクトマネジャー養成講座」を開講し、プロダクトマネジャーの養成にも力を入れている。また、プロダクトマネジメントに関する話題を中心とした「Stylish Ideaニューズレター」も毎週発行している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5279 2013/11/29 14:54

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング