デザイン思考をうまく実行する9つの大事な原則
まず、デザイン思考という名前で語られているプロセスの裏にある、9つの大事な原則が挙げられています。スタンフォードd.schoolによると、デザイン思考は、「共感」→「問題定義」→「アイデア出し」→「プロトタイプ」→「テスト」という5つのプロセスを実行するべきだといいます。このプロセスについては社団法人デザイン思考研究会がが日本語に邦訳して無償で公開していますので参考になさってください。
実は、このプロセスはいずれも、創造力への恐怖心を取り除き、安定して発揮させやすくするための基本的なステップです。このステップの裏にある「大事なマインドセット」として彼らが定義しているものは、以下の9つです。
- 自分が創造力を持っていることを信じ続けることを強く決意する
- 日々、旅人のような気持ちで、周りの世界から新しい発見を探そうとする
- 常にリラックスし、周囲にオープンな雰囲気を作り出す
- ユーザーに寄り添い、共感しようとする
- まず、現場に行って観察しようとする
- 「なぜ」を繰り返す
- 目の前で問題が見えていても、視点をずらして、本質的課題に置き換える
- 自分の創造力を応援してくれるネットワークを作る
- 偶然の出会いを大事にする
僕は一年間の留学でかなり自分の行動パターンに変化が出たのですが、新たに身につけた習慣を振り返ってみると、上記、9つの原則にかなり近いものであったことに気付きます。その発揮の仕方は、おそらく個人個人の環境によって違うと思うので、あくまで私の場合の例だと思ってください。
- 身の回りの小さいものでも、自分なりにデザインしてみることで、少しの変化を日々起こす
- 日々、スマホのカメラで、気づいたことを写真で撮りまくる
- チームメートとのミーティングは、出来るだけ「最近興味持っていること」を最初に話す
- リサーチの課題では、身近にいる知り合いにまず軽く聞いてみる
- 二次情報を信じないで、まず、現場に行って、人に会ってから判断する
- 現場の膨大な情報をブログに書き人に話す習慣をつけることで、説明するために「なぜ」を考える
- いろいろな課題が見えてきたら、それを包括できるような大きな問いかけ(ビッグアイデア)を考える
- アイデアを思いついたら、「ポジティブに反応してくれそうな友人」2、3人にぶつけてから、公開する
- フィールドワークにいくときは、バッファを持って、その場で知ったこと、紹介してくれた人にその場で会いに行く
デザインスクールに一年間留学して思ったのは、デザインスクールで学ぶべき一番大事なことはデザイン思考のプロセスではなく、その背景にある「創造性を日々発揮できるという自信であり、それを安定的に日常で発揮するための自分なり習慣」だと思っています(留学中の様子を詳しく知りたい方は、d.school留学記Facebook pageをご参照下さい。