SMACS領域を“クロス”させたIBMの戦略 -- IBMソフトウェアの総力を結集「IBM Software XCITE Spring 2014」初開催
IBMが考えるITとビジネスの将来像
具体的なセッション内容を簡単に紹介しておこう。初日のテーマは、ビッグデータ、アナリティクス、クラウド、スマーターエンタープライズだ。そして、2日目は、ソーシャル、モバイル、スマーターコマース、セキュリティとなる。さらに両日にわたって、「実践者のためのIBMソリューション最新情報と活用術」をテーマにしたテクニカルセッションを設けている。
初日の基調講演には、米IBMのIBMソフトウェアグループでクラウド/スマーター・インフラストラクチャ担当ゼネラルマネージャーを務めるDeepak Advani氏が登壇。「ビッグデータとクラウドが拓く新しいビジネス -- 21世紀のビジネス・プラットフォーム --」と題した講演を行う。ビッグデータとクラウドの組み合わせがどんなビジネス価値を生むかに、真正面からこたえるものだ。
そして、特別講演では、本田技術研究所で上席研究員を務める横山利夫氏が「お客様ひとりひとりの感性に合わせた車創りのチャレンジ~地球的視野で各お客様へ~」と題した講演を行う。ホンダは、販売する電気自動車「フィットEV」について、オーナーの同意のもと、バッテリーの性能評価に関するトレースデータを各EVの車載通信ユニットからリモートで収集し、集めたデータをリアルタイムに統計解析している。Advani氏の講演を受け、実際に、どのようなビジネス価値が生み出せるのかを詳説する。
2日目の基調講演には、米IBMのIBMソフトウェアグループIndustry Cloud Solutions General ManagerのCraig Hayman氏が登壇し、「エンゲージメントがビジネスを動かす。セキュアなソーシャル、モバイル、コマースの力で」と題した講演を行う。エンゲージメントとは、顧客や従業員、事業パートナーなどをつなぎ、それにより、事業のイノベーションを加速していく考え方だ。そのエンゲージメントを実現するためのシステムは、ソーシャル、モバイル、コマースを中心に構築される。IBMでは、Notes / DominoのSocial EditionやWebSphere Application Server Liberty Coreなど、続々と既存製品のソーシャル/モバイル対応を進めており、その進捗に注目だ。
また、2日目の特別講演では、ソーシャル、モバイル、スマーターコマースを活用して、新しいエンゲージメントづくりを進めているユーザーによるリレートークが実施される予定だ。基調講演と特別講演を通して、エンゲージメントシステムの考え方から実践、ユーザーの経験までを聞くことができるだろう。
さらに、両日にわたり開催されるテクニカルセッションでは、ソリューションの活用ノウハウやベストプラクティス、メソドロジーが紹介される。開発者向けに、Rational事業部によるDevOpsやProduct Developmentをテーマにしたセッションのほか、ビッグデータ、アナリティクス、モバイル、クラウド、セキュリティの各領域におけるソリューションが紹介される。
会場内では、最新テクノロジーやソリューションを紹介する展示会も行われる。IBMだけでなくパートナーを含めた豊富なソリューションが展示される。実際に製品に触れて、その価値を体感できるハンズオンセミナーも見どころだ。イベント直前には米国で「IMPACT」が開催されるため、そこで明らかになる最新テクノロジーがいちはやく紹介されることもポイントとなっている。
このように、XCITEは、IT部門向けイベントというだけでなく、ビジネスユーザーも対象にしたこれまでにない総合的なイベントとして注目できる。ワールドワイドの最新動向のほか、最新ソリューションを直接見て触れられる機会でもある。IBMが考える、ITとビジネスの将来像を堪能していただきたい。
【名称】IBM Software XCITE 2014
【日時】2014年5月21日(水)~5月22日(木)10:00~18:15(予定)
【会場】グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール (東京都港区高輪3-13-1)
【主催】日本アイ・ビー・エム株式会社
【費用】参加無料(事前登録制)
【参加申込】ウェブサイト
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齋藤公二(サイトウコウジ)
インサイト合同会社「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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