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 これからのAzureに望むこと

 

 DBオンライン チーフキュレーター 谷川耕一
DBオンライン チーフキュレーター 谷川耕一

 谷川:最後の話題として忌憚のない意見を。Azureはこういう風になればいいなとか、夢でもいいので思いつく範囲でどうですか?

 真田:たとえばなんですがインターフェース。設定するとき基本的にはGUIでしたが、たまにパワーシェルを使います。GUIで全部できたら分かりやすいと思います。パワーシェルだと、コマンドなりを調べないと分からないので。そういう方向にはならないですか?

 鈴木:そういう方向になります。

 北川:GUIは少しずつ充実させています。例えばSQL ServerをAzureにバックアップするにはSQLのバージョンを問わず、2005から2014まで共通のGUOでバックアップ可能なツールが提供されています。うまく進めば今後は作業ごとにコマンドライン、パワーシェル、管理ポータルを使い分けることが減ります。

 鈴木:ちなみにポータルも変わります。

 北川:ちょっとかっちょいい感じです。

 谷川:もしかしてWindows 8っぽくなるの?

 足利:でもね、いままで縦に流れていた情報が横に横に横に横に……って進むんですよ。

 鈴木:いまのが一番使いやすいですよね!

 北川:ぼくもいまのが一番いい!……おっと、いかんいかん。

 谷川:(笑)

 足利:ぼくも両方使ってみたんですけど、慣れないです。

 谷川:Windows 8に変わったときと同じですね。

 北川:いやむしろWindows 8に変わったとき以上ですよ!

 谷川:システムの管理画面で横に行くインターフェースってなかなかないですもんね。タブで切り替えなら分かりますけど。

 足利:横に広がるんですよ。ポチッとクリックすると、ふわっと横に広がるんです。そして横に、横にと。

 北川:けっこう大変なんですよ。すごくいい場所にMySQL Serverとかあって。

 谷川:過渡期なんですね。

 北川:そう思いたいです。SQLデータベースとMySQL Serverがすごくいい場所にあるのに、SQL Serverにはなかなかたどり着けない!すごいユーザーインターフェースになっている。

 谷川:ほかはありませんか?この際だから。

 真田:前の座談会でもありましたが、東日本と西日本のネットワークがつながらないところは改善していただきたいです。災害対策の観点からも重要なので。期待しています。

 谷川:できると提案の幅も広がりますよね。足利さんはどうですか。

 足利:Azureの検証をまだやっているのでIOPSのところは気になります。

 谷川:容量よりもIOPSが気になる?

 足利:容量も気になりますが今はIPOSかな。

 北川:実際にAWSにはHigh IOPS用のインスタンスがあります。需要がある以上、Azureがそれを提供しないわけはいかないと思います。ただ提供時期までは明言できませんが。

 谷川:欲しいという声をたくさんあげればいいんでしょうね。すると決断がより早くなるかもしれませんね。

 北川:そうですね。

 谷川:じゃあ言わないといけませんね。もっと。

 足利:一時期までは「日本にデータセンターなんてできないよ」とも聞きました。しかし今は変わりました。多くの要望があり、変わったんだと思います。

 鈴木:我々も把握しきれないことがあります。例えば監視のサービス。いま次々に出てきています。今までない機能は自前で作るか、サードベンダーに頼むなりしていました。お客様にもそうお願いしてきました。なのにふと新しいサービスとして提供されてしまったり。ロードマップが見えるといいのですけどね。先が見えていればやらなくて済むこととかあるのにと思うところです。

 北川:そこはAzure向けにSIを提供しているところはもろに懸念しています。実は来期、その辺りは日本としても改善したいと考えています。

 谷川:それはパートナー限定の情報開示ということですか?

 北川:そうです。パートナー向けに情報を出し、計画があるところまでは知っていただこうかと思っています。毎月のタイミングなりで説明会を開催できるといいなと思っています。

 谷川:情報開示はマイクロソフトがしたくないわけではなくて「不確定なことを発表するな」と言う圧力があるんでしょ?最近、情報開示の基準はかなり厳しくなってますからね。

 北川:長期間で利益に直結するようなこととか。ただし開示対象をパートナー向けに限定すれば、少し不確定なものでも開示できるかなと考えています。

 谷川:パートナー向けに情報開示できるような仕組みを考えていますということですね。

 真田:そこは期待しています。Azureは総論で言うと高性能で、業務アプリケーションでお客様から相談をうけたらほとんど乗ると思います。ただしディティールについてはやってみないと分からない。どういうふうに進化するかは情報としていただかないと困ります。

 谷川:無理してサードパーティーのものを乗せてサポートの問題とかをネゴしていたのに、それに相当するサービスがAzureから出たら、それまでの努力が無駄になりますからね。

 真田:もっと悲劇もあります。頑張って機能を開発してたのに、サービス化したところでAzureでサービスが出てしまったとか。

 谷川:それは痛いですね。

 北川:出た直後のサービスと比較するなら、おそらく作っていただいたもののほうがいいかもしれません。

 谷川:開発者目線では要望とかありますか?こういうのがもっと増えたらいいなとか。

 足利:昔に比べれば欲しいものは増えていますが、まだ統合監視的なものがサードパーティーに頼らざるを得ないと感じています。結局システムセンターみたいなもので統合的に管理できればもう少しやりやすくなるなと期待しています。

 鈴木:システムセンターもAzureで使えるようになっています。

 足利:Azureで仮想マシンとか使えば作れますが、機能をサービス化するとか、開発者目線なら開発に必要なもの、運用に必要なもの、どんどんサービス化していただけるとスピードアップすると思います

 谷川:開発環境のPaaSのようなものはどうですか?それを使ってIaaSでもオンプレにも使うとか。

 足利:それなら現時点でも一部実現できています。開発者のソースを管理するという点ではVisualStudio Onlineがあり、Azureに統合されていてそこで開発したものをデプロイするとか。後はどう運用するかもサービス化していただけるとありがたい。

 谷川:作ったものを運用管理しながら使っていく。DevOpsですね。もう一声くらいありますか?

 足利:いまDevOpsとか働く形態とかが変わっていて、AWSには新しくDaaS的なものが出てきています。それのAzure的なものがあるといいな。

 北川:そ、それは難しい質問だ…!

 谷川:いろいろと要望が出たところで、そろそろお開きにしたいと思います。Azureが期待されているということがよくわかりました。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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