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人事のグローバル化を支援する―クラウドERPのワークデイ、日本市場に本格参入


 財務・人事アプリケーションをクラウドで提供するワークデイは1月14日、国内市場に本格参入すると発表した。ワークデイは米Workdayの日本法人として2013年に設立され、これまでにグローバル展開した日本企業のカスタマーサポートを中心に業務を行ってきた。今後は、カスタマーサポート、サービス、営業分野で大幅な増員を行い、日本企業に対する人事のグローバル化を支援するという。

クラウドERPのワークデイが日本市場に本格参入

 Workdayは、PeopleSoft共同創業者のデビッド・ダフィールド(Dave Duffield)氏が2005年に設立したクラウドサービス企業。財務管理(ファイナンシャルマネジメント)と人事管理(ヒューマンキャピタルマネジメント: HCM)の2つのアプリケーションをSaaS形式で提供しており、国内では約150社のユーザーを持つ。HPやジョンソン・エンド・ジョンソン、AIG、レノボなど、国内で事業展開するグローバル企業を中心に、ソニー、日産自動車など、グローバル展開する日本企業も多い。国内向けには、現在のところHCMアプリケーションのみを提供する。

米Workday プレジデント兼COOのマイク・スタンキー氏

▲米Workday プレジデント兼COO
マイク・スタンキー氏

 発表にあたり来日した米Workdayのプレジデント兼COOのマイク・スタンキー(Mike Stankey)氏は「製品ユーザーの顧客満足度は97%と極めて高く、レガシーなERPアプリケーションと比較しても15%ほどの差がある」と協調。業績も、2014年は前年比約71%増の4億6900万ドル、2014年は63%増の7億6500万ドル予想など、設立から9年経ち、勢いが加速している状況だ。

 スタンキー氏は、レガシーなERPアプリケーションとの違いについて「デリバリーモデルがまったく違う」ことを挙げた。具体的には、レガシーなERPアプリケーションは、企業買収を通じて機能を強化してきた経緯があり複雑化していること、顧客向けにカスタマイズすることを中心業務にしてきたためアップデートが難しいといった課題があるという。

 「レガシーなERPベンダーは、そうした課題を隠すように、アプリケーションの提供形態をクラウドに移した。だが、根本的には変わっていない。あいかわらず顧客によるアップグレードは難しいままだ。Workdayは、1つのテクノロジースタック、1つのコードラインで、統一的なユーザーインタフェースを提供する。常に最新のバージョンを提供でき、設定による地域ごとのパーソナライズも可能だ」(同氏)

 具体的な機能としては、HCMについては、人事管理、福利厚生、タレントマネジメント、給与計算、リクルーティング、タイムトラッキング、ワークフォースプランニング・分析、ビッグデータ分析などがある。また、ファイナンシャルマネジメントについては、調達管理、会計・財務、マネジメントレポーティング、プロジェクト・業務管理、経費管理、収益管理、補助金管理、ビッグデータ分析などがある。機能面では「ビッグデータ分析を標準で備えていることが大きな特徴」だ。

 また、クラウドサービス事業者同士でつくるエコシステムも特徴の1つになっている。人事と財務を担うWorkdayに対し、CRM分野ではSalesforce.com、コラボレーション分野ではGoogleやMicrosoft、Box、Dropbox、ITサービス分野ではServiceNow、業種ソリューションでは保険のGuidewire、医療のathenahealthなどをパートナーとして、APIベースでのアプリケーション連携が可能だ。

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日本企業に対する人事のグローバル化を支援する

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この記事の著者

齋藤公二(サイトウコウジ)

インサイト合同会社「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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