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IoT時代にデータベースはここまで進化する!

ビッグデータの処理で注目を集める機械学習技術

 センサーなどでビッグデータを集め、それを迅速に分析しより賢い判断を行う。ここで最近注目されているのが機械学習だ。これは、機械学習用ロジックを用いて大量データを自動学習させる。学習結果のモデルを使って、課題に対するもっとも適切な答えを自動で見つけ出すのだ。

 現状の機械学習は、大量データを学習することでその中からもっとも確からしい答えを迅速に探し出す技術だ。これを利用することで、人の自然言語での問い合わにもある程度機械が自動でやり取りできるようになる。富士通の中でも社内においてシステムトラブルなどのインシデント情報を収集し、機械学習を行い自動でサポートすることにも取り組んでいるとのこと。

 「現状の機械学習は、機械が考えて答えを出しているわけではありません。大量に学習した中から最適なものを見つけ出してくるものです。富士通ではさらに柔軟に、機械が人間の問い合わせに答えられるようにする取り組も行っています」(安永氏)

 これは学習した結果から、最適な答えを機械自身が生み出すというもの。現状の機械学習のさらに先にある世界とも言え、より完成度の高い人工知能の実現を目指すものとも言える。

新たなデータ活用を実現するためにデータベースはさらなる進化をする

 クラウド、ビッグデータ、IoT技術を活用した人が介在するPDCAサイクルを効率的に回すこと。また、機械学習技術を活用する考えるコンピュータ。これらを実現するために必ず必要になるのが、大量のデータを迅速に処理できるデータベースだ。とはいえ、ここで必要になるデータベースは、従来のSQLデータベースが単に大容量データに対応し、それを高速に処理できればそれでいいというものではない。

 「自然言語的なデータも大量に扱うことになるので、JSONやXMLといった新しいデータ形式にも柔軟に対応できる必要があるでしょう。さらに、検索方法についてもまったく新しいものが必要です。たとえば、地図上のこのあたりにあるものは何か、温度分布の中から似たような変化パターンを探し出したいといったような曖昧な検索がしたい。つまり、新たな直感的な検索方法も必要になります」(安永氏)

 この多様で柔軟なデータの扱いや直感的な分析を実現する検索手法の実現は、従来のSQLベースのデータベースだけでは難しい。「たとえば将来的には、人間が普段扱う自然言語のようなテキストデータに意味づけし分析できるようにする必要があります」と安永氏。そのために必要となるような機能を、自社のデータベースであるSymfoware Serverにも入れていく。また、すでにリアルタイムな情報活用を可能にするための、新たなプラットフォーム「FUJITSU Integrated System Analytics Ready AX1」の提供も開始している。「今後はさらにデータベースの適用を大きく広げていかなければなりません。そのためのデータベースの拡張に富士通は取り組んでいきます」と安永氏は言う。

 FUJITSU Integrated System Analytics Ready AX1(PPT2枚目)
FUJITSU Integrated System Analytics Ready AX1

 クラウド、ビッグデータ、IoT技術を利用したデータ活用の世界、さらには機械学習など新しいデータ活用に富士通がどのように取り組んでいるのか。2015年3月13日に開催するDB Online Dayでは、新しいデータ活用を実現するには何に注目し、どのようなソリューションを考えれば良いのか。そのために具体的に今データベースにはどのような変化が訪れており、それによりデータ活用の世界がどう進化しているかを安永氏に語ってもらう予定だ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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