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コミュニケーションとモチベーションを管理する手法

組織の力=やる気をはかる―プロジェクトマネジメントの極意―


 リーダーの資質に左右される第1世代、大規模プロジェクトにスタッフ一丸となって挑む第2世代、そして自らが価値を創造する第3世代まで。オムロンソフトウェア株式会社の竹林一氏は、長年の経験からマネジメントの進化をこう語る。そして個々のプロジェクト成功の裏には、組織力を最大限発揮させるための武器として、人や組織、そして感情までを「はかる」ユニークな仕掛けが存在していた。

プロジェクトマネジメント成功の鍵

 オムロン入社以来、ソフトウェア開発者としてスタートした私は現在、ソフトウェア開発会社の経営を見ています。ソフト開発を振り出しにシステム開発、ビジネスモデル開発、そして事業の構造改革へとこの30年近くの間に、手がける領域は拡大していき、これに伴って、マネジメントスタイルも進化させてきました。

オムロンソフトウェア株式会社 代表取締役社長 竹林一氏
オムロンソフトウェア株式会社 代表取締役社長 竹林一氏

 すなわち、ソフトウェア開発のマネジメントではソフトウェアという目に見えにくい領域を管理する困難さを学び、システム開発では大人数を視野に置く効率的なマネジメント手法、いわゆるプロジェクトマネジメントが必要となりました。さらにビジネスモデルの開発に携わるようになると、価値創造のマネジメント手法を自分なりに勉強し、チャレンジするようになっていったのです。

ソフトウェア開発からソフト開発会社の経営へ
ソフトウェア開発からソフト開発会社の経営へ

失敗しないための3つのキー

 長くこの仕事に携わってきたけれども、残念ながらプロジェクトを必ず成功させる鍵はまだ発見できていません。しかし、必ず失敗する鍵は見つけました。「見ざる・聞かざる・言わざる」です。

 コミュニケーション能力が低くモチベーションも低い組織にイノベーションはありません。失敗は火を見るより明らかです。したがって、コミュニケーションとモチベーションの2つを高めて、組織力を最大限に活性化するのがリーダーの役目ということになります。

進化するマネジメント

 プロジェクトマネジメントには3つの形があると私は思っています。第1世代は「目標達成型」です。いつまでに納品しよう、頑張ろうというマネジメントで、リーダーが引っ張ることで、プロジェクトは成功に導かれます。

 これがプロジェクトの規模が巨大になり、参加する人員の数も増えていくと、第2世代の「プロセス重視型」に変わります。1人のリーダーが全てを見ることは不可能になってくるため、ここでは組織の力が問われるようになります。さらに第3世代では、イノベーションを創出できる組織に進化させていかなくてはなりません。

 皆さん自身、今どの段階にあるのかを判断していただきたいと思います。

進化するマネージメント
進化するマネージメント

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目標を達成するマネジメント

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この記事の著者

陣内 一徳(ジンナイ カズノリ)

埼玉大学教養学部卒業。編集者・ライター。有限会社アーカイブ代表取締役。
書籍の企画編集・DTP制作からウェブやPR誌等の取材原稿作成まで。とくに技術系のテーマが多いが、それに限らず幅広いジャンルを手がける。最近は、企業・団体の社史などの取材原稿作成で飛び回っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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