SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine Day 2022

2022年6月28日(火)13:10

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

週刊DBオンライン 谷川耕一

クラウドの将来像は本当にハイブリッドなのか?


 先週は「EMC World 2015」の取材で米国ラスベガスに行っていた。そのときの話題で興味深かった2つのことについて今週は取り上げる。1つ目がクラウドの話題。現状、Amazon Web ServicesやSalesforce.comなど「パブリッククラウドだけ」のサービス展開ベンダーを除けば、みな「ハイブリッドクラウド」を提唱している。すべてをパブリッククラウドに持って行くのではなく、セキュリティリスクやコンプライアンスの制約などを理由にデータやシステムを手元に置いておきたい。あるいは、莫大な量のデータがありそれをインターネット越しにタイムリーにパブリッククラウドへ持って行くのは、効率が悪くコストが高くなる場合もあるからだ。

第3のプラットフォーム時代に鍵を握るのはアプリケーション開発者、だからベンダーは開発者に歩み寄る

 EMCがハイブリッドを提唱する理由は、パブリックとプライベートでは、サービスレベルが異なるからだ。より高いサービスレベルを求めるデータやシステムは、パブリックよりもプライベートで運用すべきだという。なので、両方を組み合わせて活用するハイブリッドクラウドという環境は必然であり、ハイブリッドクラウドはパブリッククラウドへ行くための途中ではない。将来はハイブリッドであるというわけだ。

 現時点で、この考え方を否定するベンダーは少ないだろう。Amazon Web ServicesやSalesforce.comも、外部システムと連携するAPIなりを用意しているわけで、自分たちの環境だけですべてが完結するとは思っていないはずだ。

 ハイブリッドクラウドは、たんにパブリックもプライベートも両方使うだけではない。先週のEMCのイベントでも指摘されていたが、相互に連携し柔軟に移行できることがハイブリッドクラウドの必要条件となりつつある。この柔軟な移行を実現するのが、VMwareなどが先行してきた仮想化の技術だ。

 そして、将来的なハイブリッドクラウドの姿があるからこそ、EMCはいまプライベート環境のための強力なハードウェア群を提供している。それが今回発表されたオールフラッシュストレージ「XtremIO」のハイエンド版「The Beast」であり、コンバージドインフラに無限の拡張性を提供すると言う「VxRack」といった製品だ。

 EMCの主張ではあるが、たしかに、こういった高性能で高拡張性のあるハードウェアをオンプレミスに導入したほうが、数年間の利用ではパブリッククラウドよりもコスト性能面では優れる場合もあるだろう。

 ユーザーが考えるべきは、パブリックかハイブリッドかの2者択一の選択ではなく、自分たちの実現したいデジタルな世界に最適なITプラットフォームは何かだろう。正解が1つだけあるわけではない。少なくとも現時点ではさまざまな形がある。重要なのはユーザーに選択肢を与えることだ。EMCはVMware、PivotalとともにFederationでハイブリッドクラウドを提供すると表明している。3社のミッションは個別に存在するが、Federationの哲学は1つだと。それが選択肢を顧客に与えベンダーロックインしないことだ。

 個人的には、将来のクラウドはハイブリッドというのは、少し違うかなと思うところもある。それは法規制などの問題はともかく、サービスレベルの違いなどはやがて技術的に解決できると思うからだ。中小企業のITプラットフォームならば、むしろパブリックのほうがサービスレベルが高いなんてことは今や珍しくない。

 大量データの問題も、そもそものデータ発生源がパブリッククラウドに移行すれば、大量データの移動コストの問題も解決できる。ハイブリッドは当分の間の理想像かもしれないが、その先にはやはりパブリッククラウドがあるのではないだろうか。

 いや、もしかしたらパブリックとは違うかもしれない。パブリックでもプライベートでも、ハイブリッドでもない「ただのクラウド」かもしれない。各クラウドの違いを一切意識する必要のない環境。このデータは重要だからプライベートに置こうなんて考えずとも、重要なものは雲の向こうで必要なセキュリティレベルと信頼性のもとに管理される。その際にユーザーは、どんなプラットフォームで動いているかなんてことは、一切気にする必要がない。そんな時代になるのは、5年後は無理でも10年後くらいだったりするのだろうか。

EMC Federationのハイブリッドクラウドの構成イメージ
EMC Federationのハイブリッドクラウドの構成イメージ

次のページ
ソフトウェアの開発版無償提供とオープンソース化という戦略

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6833 2015/05/14 14:50

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2022年6月28日(火)13:10

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング