オープンソースにテラデータの技術を組み合わせて価値を高める
Q:今回発表したTeradata Listenerでは、オープンソース・ソフトウェアで構成されています。テラデータはこれまでは独自界春の技術が強みのイメージがありますが、オープンソース・ソフトウェアを活用することについてはどのように考えているのでしょうか?
ブロブスト:我々が目指しているのは、オープンソースのコミュニティが作ったものに我々の技術を上乗せしてより良いものを作ることです。Listenerは、テラデータの技術とKafkaを一緒にしたものです。Kafkaは我々の顧客でもあるLinkedinが開発してオープンソースのコミュニティ提供しました。オープンソースとしてすでにあるものを改良して価値を高めています。
Q:テラデータはこれから、オープンソース・ソフトウェアの活用に注力するのでしょうか?
ブロブスト:どちらかと言えば、オープンソースと自社開発の技術のハイブリッドで行くことを考えています。たとえば、Hadoopの上に我々の技術を載せていくといった形です。ソフトウェアとしてライセンス提供するものは自分たちで作ります。QueryGridは独自開発の典型的なものでしょう。一方でfacebookと一緒に開発しているPrestoはオープンソースとして開発しているソフトウェアです。これらを組み合わせてソリューションを作っていきます。Prestoはfacebookとのジョイントベンチャーで開発しており、これは今後は企業化していくことになります。
Q:テラデータではユニファイド・データ・アーキテクチャ(UDA)を提唱してきました。今回のListenerの登場により、UDAは完成したと言って良いのでしょうか?
ブロブスト:Listenerは、UDAの一部のリアルタイムにデータを取り込む部分です。ListenerだけでなくQueryGridの開発により、さらにUDAは完成品に近づいています。そのQueryGridもTeradata、Aster、パートナー製品であるSAS、そしてHadoopを組み合わせて利用することになるでしょう。
最初はTeradataが単独にあり、次に我々はTeradata同士をつなぐことを実現しました。さらにSASなどとつなげて、Hadoopもつなげた。いまはHadoopからOracleやMongoDBなどさまざまなものをつなげることができます。UDAはこのようにさまざまなものを組み合わせて実現しています。
2016年以降には、UDAをAmazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウドのインフラストラクチャにも載せていく予定です。
ListenerもAster on HadoopもIoT向きだがそれ専用ではない
Q:ListenerはAmazon Kinesisと似たサービスだと思います。KinesisとListenerの違いはどんな点にありますか?
ブロブスト:KinesisはAWSセントリックなサービスです。AWSが好きな人には、Kinesisでいいかもしれません。Listenerは、テラデータの技術を使ってKafkaをより簡単に使えるようにしたものです。データの配信先として、オンプレミスのHadoopもTeradataもAsterも選べます。RESTful APIでソースを選べるのが特長となっています。
Listenerは、IoTだけでなくWeb Logにも金融のトランザクションにも適用できます。テラデータはIoTのような拡張性を求められるものに対して対応できます。センサーデータなどを扱うには、この拡張性の部分は重要になります。リアルタイムにデータを取り込むという動きは、これからさらに増えることになるでしょう。
Q:今回もう1つ新たに発表されたTeradata Aster Analytics on Hadoopは、IoTのためのソリューションと考えていいですか?
ブロブスト:一部の使い方としてIoTがありますが、それ専用というわけではありません。Asterの高度な分析の能力をIoTに適用できるものであるのは間違いありません。IoT以外にもWeb Logの解析などにも利用できます。IoTがここ最近のホットトピックなので、メッセージとして前面に出てきています。実際に多くの顧客がIoTの分析でAsterをどう使えるのかといったことに興味を持っています。それに応えるためのものです。Asterはタイムシリーズデータを扱いやすいなどIoTと相性がいいものでしょう。