IoTとは何か?
IoT(モノのインターネット)がIT業界のみならず産業界全般における重要キーワードになりつつある。自動運転車をはじめとして、ファクトリー・オートメーション、無線タグによる物流改善、スマートホーム、スマートシティ等々、社会基盤を根本から変え、大きな市場機会をもたらす真の意味でのイノベーションが結実しつつある。日本政府も官民共同で「IoT推進コンソーシアム」を設立するなど、IoTを国家的課題と捉えつつある。エンタープライズ・ストレージの戦略立案において考慮すべき周辺テクノロジーのメガトレンドとして、IoTが無視できない存在になってきた(図1)。
IoTについては様々な定義が聞かれるが、ここでは「身の周りにある物理的な"モノ"がインターネットを経由して互いにやり取りしたり、クラウドにデータを提供したりすることで生まれるソリューション」と簡単に定義する。物理的なモノの世界とITによる情報の世界の結び付きを今まで以上に強めるソリューションとも言える。
今までもコンピューターを内蔵したモノ(たとえば、家電製品)は数多く存在した。しかし、これらのモノは個別ばらばらに動作しており、ネットワークを通じて協調処理を行なうことは少なかった。IoT関連テクノロジーの進展により、モノどうし、さらにはモノと人間とがネットワークを介して有機的に連携し、新たな価値を生み出す可能性が増している。