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週刊DBオンライン 谷川耕一

予測の範囲とはいえ驚きの買収劇、OracleのNetSuite買収で何が起きるか?

 先週のIT業界の大きな話題としては、OracleがクラウドERPの老舗ベンダーNetSuiteを1兆円近い金額で買収するという発表があったことだろう。NetSuiteは、1998年にエバン・ゴールドバーグ氏がNetLedgerという企業を興し、その後NetSuiteに社名を変更している。創業時に大きなお金を投資したのがOracleの会長でありCTOのラリー・エリソン氏だ。いまもエリソン氏はNetSuiteの大株主の1人である。NetSuiteのCEOであるザック・ネルソン氏によれば、エリソン氏からは経営上のアドバイスを受けているとのことだ。

既定路線とは言え驚きの買収劇

 創業当初は頻繁にエリソン氏から連絡があり、経営状況がどうかを訊ねられたとか。最近は節目ごとにネルソン氏のほうから経営状況の報告をするようになり、その際にエリソン氏から積極的なアドバイスをもらっていたという。そのような関係性を考慮すれば、この買収の動きそのものは予測の範囲と言えるだろう。とはいえ、このタイミングでこの金額とは、やはりかなりの驚きもある。

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創業時からNetSuiteにかかわってきたラリー・エリソン氏、
ある意味今回の買収も予測の範囲ではあるが…

 2016年5月に開催されたNetSuiteの年次カンファレンスイベント「SuiteWorld 16」でも、ネルソン氏はビジネスが極めて好調に推移していることをアピールしていた。日本のSaaSベンダーとしての認知度は今ひとつという状況ではあるが、海外では新たにビジネスを興して成長するような企業では、NetSuiteのERPを選ぶのが「デフォルト」だともいう。最初にNetSiteを選んだ会社が大きくなってもNetSuiteを使い続けているということだった。

 さらに最近はこれまでNetSuiteが主なターゲットとしてきた、スタートアップ企業や中堅、中小規模の企業だけでなく、大企業でも採用が進んでいる。本社ではOracleのERPパッケージを導入しいるような大手企業でも、海外ブランチ組織などでNetSuiteを活用している事例は数多くあり、こういった利用のタイプではOracleとNetSuiteは補完関係にあるとも言う。今回の買収も、両社のクラウドERPのソリューションは補完関係にあることが強調されていた。

 買収が完了すれば、なんらか両社のサービスは統合化することになるだろう。とはいえ、完全に基盤を共通化して、OracleのERPであるOracle Fusion ApplicationsとNetSuite OneWorldが1つになることはないと予測している。そこまでやるとなれば、基本的なアーキテクチャを変更するような大きな変更となる。既存顧客も多いNetSuiteのサービスに対し、そのような急激な変更をすれば顧客が離れかねないだろう。

 またSaaSベンダーのNetSuiteだが、強みはプラットフォームにあると主張していたのは現在は会長でCTOのゴールドバーグ氏だ。このプラットフォームのところはNetSuiteが独自に提供しているものであり、それがSaaSでありながら簡単にカスタマイズできるところになっている。このあたりのNetSuite独自の機能部分を統合するのはそう簡単ではないだろう。

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NetSuite CTOのゴールドバーグ氏

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

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