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新生Dell EMCに訊いた!オープンソース・ソフトウェア領域への取り組み

 かつて、2015年のEMC Worldの注目ポイントの1つが、EMCのオープンソース・ソフトウェアへの取り組みだった。ところが2016年のEMC WorldはDellとの統合を控え、その後のオープンソース・ソフトウェアへの取り組みについてのアップデートについては発信されなかった。そして2017年、Dellとの統合も終え新たなスタートを切ったDell EMCでは、いったいオープンソース・ソフトウェアの世界とどのように関わっていくのか。Dell EMCの新たなオープンソース・ソフトウェアに関する活動である{code}について、技術分野のバイスプレジデントで{code}を担当するジョシュ・バーンスタイン(Josh Bernstein)氏に現状のDell EMCのオープンソース・ソフトウェアに対する取り組みについて話を訊いた。

{code}のミッションは既存のオープンソースへの貢献とDellのコードのオープンソース化

 ジョシュ・バーンスタイン氏
DELL EMC バイスプレジデント 
ジョシュ・バーンスタイン氏

Q:{code}とはいったいどのような活動なのですか?

バーンスタイン氏:{code}のミッションは2つあります。1つはDevOpsに関連するような主要なオープンソース・ソフトウェアに対しDellとして貢献することです。そしてもう1つは、Dell自身のソフトウェアをオープンソースの世界に展開していくことです。Dellのエンジニアが書いたコードをオープンソース化します。また世間で関心の高いオープンソース・ソフトウェアについてスポンサーすることで、Dellのオープンソースに対する活動の認知度を上げるというのもあります。

 すでに{code}には、90ぐらいのプロジェクトがあります。{code}は、基本的にはDellのコーポレートブランドからは独立した形の活動です。なのでWebサイトも"dell.com"とは別で、"codedellemc.com"となっています。この企業のビジネス活動から独立して活動する考え方は、オープンソースの世界に関わるためには重要なものです。

Q:{code}の活動は、従来EMCで進めてきたオープンソース・ソフトウェアに関する活動の延長線上にあるものですか?

バーンスタイン氏:そもそも{code}は、「EMC {code}」として活動していたものです。それがDellと統合して{code}になり、EMCだけでなくDellのビジネス全体に則した戦略へと、責任範囲を拡大しています。

Q:活動としてはDellのソフトウェアをオープンソース化するものと既存のオープンソースのコミュニティに貢献するものでは、どちらの割合が高いのでしょうか?

バーンスタイン氏:これらは50対50の割合です。Dellの規模だと自社のコードをオープンソース化することに注力してしまうと、それはビジネス上の利益を追求する活動になりがちです。なのでどちらかに偏るのではなく、コミュニティに貢献することにも力を入れています。

Q:世の中にはたくさんのオープンソースのコミュニティがすでにあります。それらに貢献するだけでなく自らオープンソースのコミュニティ活動を行うのはなぜですか?

バーンスタイン氏:{code}は、Dell EMCがDevOpsとの関連性を深めるための活動でもあります。たとえば、これまでのDell EMCの営業担当者は顧客とはIOPSの話やストレージの容量の話ばかりしていたでしょう。ところが企業でDevOpsに関わる人たちは、そういう話にはあまり興味がありません。DevOpsに関わる人たちが興味を持てるような会話を、Dell EMCの営業担当者できるようにレベルを上げるのが{code}の目的の1つでもあります。

 オープンソースを活用するDevOpsの世界でDell EMCが信頼を得なければ、会話は成り立ちません。そのためには、Dell EMCがオープンソースのコミュニティに貢献する必要があるのです。これからは、Dell EMCの営業の場で、どんどん上位のアプリケーションの話をするようになります。それができる能力を持っていることが、ベンダーとしての優位性にもなります。それを{code}の活動が、陰から支えることになります。

Q:{code}とPivotalの活動はどう関連してくるのでしょうか?

バーンスタイン氏:{code}とPivotalは、今は別々に活動しています。とはいえ、双方の活動は関連しています。{code}がオープンソースのコミュニティに還元したものを、Pivotalが利用することもあるでしょう。その逆もしかりです。私の立場から見れば、双方は助け合っていることにもなります。

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日本など独自の文化的な視点やビジネス課題を持つ人たちの参加は歓迎

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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