{code}のミッションは既存のオープンソースへの貢献とDellのコードのオープンソース化
Q:{code}とはいったいどのような活動なのですか?
バーンスタイン氏:{code}のミッションは2つあります。1つはDevOpsに関連するような主要なオープンソース・ソフトウェアに対しDellとして貢献することです。そしてもう1つは、Dell自身のソフトウェアをオープンソースの世界に展開していくことです。Dellのエンジニアが書いたコードをオープンソース化します。また世間で関心の高いオープンソース・ソフトウェアについてスポンサーすることで、Dellのオープンソースに対する活動の認知度を上げるというのもあります。
すでに{code}には、90ぐらいのプロジェクトがあります。{code}は、基本的にはDellのコーポレートブランドからは独立した形の活動です。なのでWebサイトも"dell.com"とは別で、"codedellemc.com"となっています。この企業のビジネス活動から独立して活動する考え方は、オープンソースの世界に関わるためには重要なものです。
Q:{code}の活動は、従来EMCで進めてきたオープンソース・ソフトウェアに関する活動の延長線上にあるものですか?
バーンスタイン氏:そもそも{code}は、「EMC {code}」として活動していたものです。それがDellと統合して{code}になり、EMCだけでなくDellのビジネス全体に則した戦略へと、責任範囲を拡大しています。
Q:活動としてはDellのソフトウェアをオープンソース化するものと既存のオープンソースのコミュニティに貢献するものでは、どちらの割合が高いのでしょうか?
バーンスタイン氏:これらは50対50の割合です。Dellの規模だと自社のコードをオープンソース化することに注力してしまうと、それはビジネス上の利益を追求する活動になりがちです。なのでどちらかに偏るのではなく、コミュニティに貢献することにも力を入れています。
Q:世の中にはたくさんのオープンソースのコミュニティがすでにあります。それらに貢献するだけでなく自らオープンソースのコミュニティ活動を行うのはなぜですか?
バーンスタイン氏:{code}は、Dell EMCがDevOpsとの関連性を深めるための活動でもあります。たとえば、これまでのDell EMCの営業担当者は顧客とはIOPSの話やストレージの容量の話ばかりしていたでしょう。ところが企業でDevOpsに関わる人たちは、そういう話にはあまり興味がありません。DevOpsに関わる人たちが興味を持てるような会話を、Dell EMCの営業担当者できるようにレベルを上げるのが{code}の目的の1つでもあります。
オープンソースを活用するDevOpsの世界でDell EMCが信頼を得なければ、会話は成り立ちません。そのためには、Dell EMCがオープンソースのコミュニティに貢献する必要があるのです。これからは、Dell EMCの営業の場で、どんどん上位のアプリケーションの話をするようになります。それができる能力を持っていることが、ベンダーとしての優位性にもなります。それを{code}の活動が、陰から支えることになります。
Q:{code}とPivotalの活動はどう関連してくるのでしょうか?
バーンスタイン氏:{code}とPivotalは、今は別々に活動しています。とはいえ、双方の活動は関連しています。{code}がオープンソースのコミュニティに還元したものを、Pivotalが利用することもあるでしょう。その逆もしかりです。私の立場から見れば、双方は助け合っていることにもなります。