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テスト時間をいかに削減するか―Fortune 100の30%の会社が採用するDelphixがDevOpsを加速する理由

2018/12/12 06:00

 Delphixは、本番環境のデータを開発やテストの環境で瞬時に利用できるようにするデータベース仮想化のソリューションだ。アシスト、伊藤忠テクノソリューションズ、インサイトテクノロジーなど、DB Onlineではお馴染みのデータベース製品に強い企業が扱っているので、ご存じの読者も多いかもしれない。これを提供するDelphix Softwareは、2008年にシリコンバレーで創業、現在は7ヶ国に9つのオフィスを構え、2015年には日本オフィスも開設されている。DelphixはFortune 100の30%以上の企業に採用されており、顧客数は300社を超える。この内のおよそ5%は、日本の大手企業などだ。

大手企業が軒並み採用する企業の新たな情報基盤

Delphix Software合同会社 執行役 営業部長 吉川浩司氏

右 Delphix Software合同会社 執行役 営業部長 吉川浩司氏
左 Delphix Software 戦略アドバイザー兼CTO アダム・ボーウェン氏

「Delphixはデータを迅速、安全に集める情報基盤です」と語るのは、Delphix Software合同会社 執行役 営業部長の吉川浩司氏だ。Delphixは、ソフトウェアを開発する際のテストデータの管理で主に活用されている。Delphixを使うことでテストデータの準備作業が大幅に短縮され、コスト削減にもつながる。結果的に市場に迅速にアプリケーションを提供できることにもなる。

 ソフトウェアを構築する工程で、開発とテストにかかる時間の割合は2:8だと言われる。テストの工程に多くの時間を取られ、それが全体の開発生産性を低下させているのだ。ソフトウェアの開発では、なるべく本番環境と同じ条件でテストを行いたい。とはいえ、本番データをそのままテストに使うにはさまざまなリスクがある。そのためダミーデータを作り対処するのが普通だ。この作業に手間と時間がかかる。

 全体の8割にもなるテスト時間をいかに削減するか、さらに本番データと同様なものを安全にテストで利用するにはどうすればいいのか。これらの課題を解決するのがDelphixだ。迅速に安全なテストデータを作れるだけでなく、Delphixではテストデータのサイズを1/3に圧縮できるのも大きなメリットとなる。さらに複数のエンジニアがテスト作業をする際にも、仮想化の技術を使っているのでそれぞれの作業用にデータをコピーする必要はない。「同時に100人がテストを行うような環境でも、何ら問題はありません」と吉川氏は言う。

 データはNFSマウントしたドライブ上にあり、常に本番のデータと同期することができる。その際に機密性のある重要な情報はマスキングできる。そのため、テスト環境から個人情報などが漏洩する心配もない。マスキングはデータを黒塗りするようなものではなく匿名化を施す。GDPRへの対応が求められていることもあり、このマスキングの機能があるからとDelphixを採用する企業も増えている。

仮想化技術で迅速かつ効率的に複製し、マスキング機能でセキュリティも担保

 Delphix Softwareの戦略アドバイザー兼CTOのアダム・ボーウェン氏は、Delphixは、1つのプラットフォームでデータをセキュアに仮想化し管理するものだと言う。この時にソースデータとなるのはOracleなどの本番系のデータベース・システムだけでなく、ファイルシステムでデータを管理しているようなアプリケーション・データも仮想化して利用できる。さらにSAP ERPやOracle E-business Suiteなどのアプリケーション、その他の各種ファイルにも対応する。

 ソースデータを複数コピーして利用する訳ではないので、データの一貫性は担保される。複製されるデータは開発、テストだけでなくデータ分析などにも使うこともできる。

 「仮想化技術を使うことで、本番系のアプリケーションを止めずにデータを複製できます。1度だけコピーを取り、その後はニア・リアルタイムに本番と同期します。その際に継続してバージョン管理を行います。そのため、すぐに過去の状態に戻すことも可能です。さらに、重複排除と圧縮でデータは3分の1程度のサイズになります。ほとんどの場合、追加のストレージ購入などは必要ありません。このストレージ削減の効果も大きなメリットです」(ボーウェン氏)

 Delphixを使うことで、開発者がセルフサービスで開発環境を管理できるようになる。テストを行う際にインフラの運用管理者やDBAに依頼し、手間をかけてテスト環境を用意してもらう必要がなくなるのだ。その上でデータマスキングの機能があるので、これらをセキュアに実現できる。これはDevOpsを進めたい企業などにとっては、大きなメリットになるとボーウェン氏は指摘する。

 どのデータを匿名化するかなどは、DBAとセキュリティ管理者などがポリシーを決め簡単に管理できるようになっている。Delphixにはアプリケーションとデータのプロファイリングを行い、何処に機密にすべきデータがあるかを洗い出す機能がある。これを使うことで、機密データが何処にあるかが分からないといった課題も解決できる。「このプロファイリングの機能で、これまでに機密データを見つけられなかったことはありません。むしろ、こんなところに機密にすべき情報があったのかと驚くこともよくあります」とボーウェン氏。一連の匿名化の作業はWebのインターフェイスから行え、どのような情報をどうマスキングしたかは細かく管理、記録される。これで何ら攻撃があった際にも、重要な情報が漏れていないことを証明できる。

 「仮想化して複製したデータは継続してバージョン管理を行っており、たとえばDelphixのデータを用いて、7年前のデータに遡ってSOX法の監査に対応した例もあります」(ボーウェン氏)

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにし...

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