
デジタルトランスフォーメーションの波が押し寄せる中、ビジネスとITの関係にも新しい形が模索されています。その1つの解として、今ふたたび超高速開発に注目が集まっています。超高速開発というと中には懐疑的な目を向ける方もいるかもしれません。確かにこれを従来のシステム構築ツールの延長としてとらえると失敗の恐れがあるでしょう。その真の目的とは、単なる開発スピードの向上でもコスト削減でもありません。記事では、ビジネス変革ツールとしての超高速開発を解説します。
生き残る企業と淘汰される企業の違い
デジタル破壊が進み、従来のビジネスの常識が次々に覆されています。もちろんこれまでも旧来のものを破壊し、新たな創造を行うことによってビジネスは進化を遂げてきました。しかし、IoT、ブロックチェーン、クラウド、ビッグデータなど、様々な新しいテクノロジーが急速に浸透しつつある今、その破壊と創造はかつてないほどの勢いで進んでいます。
たとえば米国では、配車アプリのUberがタクシー業界に、宿泊予約のAirbnbがホテル業界に強力なインパクトを与えました。金融業界では新興のFintech企業など、いずれもテクノロジー企業が既存企業の領域に食い込み、そのまま業界全体を変革していく様が見て取れます。これと同様のことは日本のどの業界でも起こり得ます。その時、貴社はイノベーションを起こし飛躍する企業になれるでしょうか。分かれ道はすぐそこまできています。来るべきデジタルトランスフォーメーションに備え、すぐにでも体力の強化を始めるべきです。
超高速開発が注目される理由とは
この変革の核にはビジネスとITのシームレスな連携があります。CIOと情報システム部門に求められる役割は、従来のようなシステムの保守・運用ではなく、新しいビジネスの形をITで創造することになりつつあります。経営/ビジネス部門と情報システム部門の関係は強化され、より積極的なものになっていくはずです。
しかし、現状では既存システムがボトルネックになってしまっているのも事実です。硬直化、肥大化した既存システムは、小さな変更を加えるのにも大がかりな改修を必要としています。かつてビジネスを効率化するために作られたシステムですが、今となってはこれが改革を阻んでいるのです。そして、この既存システムに代わる新しい時代のシステム開発として、超高速開発に注目が集まっているというわけです。
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佐藤 彰広(サトウアキヒロ)
株式会社アシスト 情報基盤事業部 製品統括部プログレス推進部 Oracleデータベースのエンジニアとして、企画・プロジェクト管理に従事。その後、ビジネス開発部隊として新規ソフトウェアの調査・発掘を経て、BRMS「Progress Corticon」の日本での立ち上げを担う。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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