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第1回 「え?それもクラウドなの?」~歪み始めた「クラウド」の定義をもう一度考えなおしてみよう

  2010/03/03 00:00

すっかりお馴染みとなった「クラウド」という言葉ですが、その定義はかなり広範に拡大解釈されているようです。今回は、本来のクラウドの意味をするところをおさらいしてみましょう。

クラウドにまつわる混乱の犯人は?

 「クラウド・コンピューティング」という言葉がIT業界で中心的に語られるようになってから2年以上が経っている。今日では、ほとんどすべてのベンダーが何らかのクラウド戦略を打ち出している。クラウドを自社戦略の中心に据えているベンダーも存在する。IT系のメディアでクラウドという言葉が聞かれないことはない。また、一般メディアにおいてもクラウドという言葉が特に説明もなく議論されるレベルになっている。

 しかし、依然としてユーザー、特に一般企業のIT部門担当者における混乱は続いているようだ。最もよく聞かれる不満の一つは、「クラウドの具体的な定義がはっきりしない」というものだ。「クラウドに関心がありますか、採用予定がありますか?」と聞かれたところで、そもそもクラウドの定義がはっきりしないので答えようがないということもある。

 もちろん、データやアプリケーションを社外のデータセンターに置き、インターネット経由でブラウザからアクセスするというクラウドの最も基本的なモデルについては異論が少ない。しかし、その基本的モデルの上位にある様々な付加的要素については人により定義が様々になっており、統一的な定義にはほど遠い状態だ。

言葉の定義は利害関係者によって常に拡大されるもの
言葉の定義は利害関係者によって常に拡大されるもの

 新しい概念、特に、耳あたりが良い言葉が生まれた時には、各当事者が自分の都合の良いように言葉を拡大解釈して使いがちだ。もちろん、このような傾向は特にクラウドに限った話ではない。不要な議論の拡散を防ぐためにも、まずは基本に立ち返ってクラウドという言葉の定義を再考すべきだろう。

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著者プロフィール

  • 栗原 潔(クリハラ キヨシ)

    株式会社テックバイザージェイピー 代表、金沢工業大学虎ノ門大学院客員教授 日本アイ・ビー・エム、ガートナージャパンを経て2005年6月より独立。東京大学工学部卒業、米MIT計算機科学科修士課程修了。弁理士、技術士(情報工学)。主な訳書にヘンリー・チェスブロウ『オープンビジネスモデル』、ドン・タプス...

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