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2010年のクラウドを振り返る~前編

前編


今年2010年は、日本国内で急速にクラウドビジネスが立ち上がった1年として記憶されるはずだ。海外の主要なベンダーが参入してくると同時に、国内の主要なベンダーも相次いでクラウドへの本格参入を表明した。一方で、何でもかんでも「クラウド」と呼ぶ風潮も広まっている。確かなクラウド戦略をつかむためにも、あらためてクラウドの本質とは何かを考えよう。

2010年のクラウドに関する主な動向

 今年2010年は、海外勢だけでなく国内ベンダーまでもが本格的なクラウドへの参入を相次いで表明した。このことは2010年を、日本国内でクラウドが立ち上がった年として記憶するうえで最も重要な要因になるだろう。保守的な国内ベンダーまでもがクラウドへ向かい始めたことで、一気にクラウド市場が立ち上がると見られるからだ。まずはこの1年のクラウドに関する動きを時系列で見ていこう。

 マイクロソフトのWindows Azureが、ワールドワイドで正式に商用利用が開始されたのは2010年1月のことだ。これにより、Amazon、グーグル、マイクロソフト、セールスフォース・ドットコムら海外の主要なクラウドベンダーのサービスがすべて正式版として出揃った。そしてこの月、日本IBMは社長直轄でクラウド関連の事業やサービスをまとめる専門の統括組織を設立。クラウドを国内企業に提案する体制を整えた。また、NTTデータはクラウド関連サービス「BizCloud」の詳細を発表し、クラウド関連サービスを3年後には1000億円規模にまで拡大させたい、との発言があった。

 5月にはグーグルがGoogle App Engine for Businessを発表し、本格的にエンタープライズ向けのクラウドプラットフォームへの参入を表明している。Google App EngineはJavaで開発可能なクラウドだが、企業のシステムに不可欠なリレーショナルデータベースの機能や企業用途に適したSLA(サービスレベル契約)がなかった。それらを付加したGoogle App Engineが秋にリリースされると発表された。同じく5月には日立製作所がクラウド事業の戦略説明会を開催。6月にはクラウド事業統括本部を新設。グループ会社の専門家も集約し、クラウド関連で2012年に2000億円、2015年に5000億円を売り上げる考えを示した。

 7月、マイクロソフト日本法人が7月から始まる同社の2011年度経営方針について発表、クラウドビジネスに全社を挙げて注力していくとした。5月には米マイクロソフトCEO のスティーブ・バルマー氏がワシントン大学でクラウドへの注力を宣言しており、日本でもそれが明言された形だ。同じく7月、富士通が2010年度にクラウド関連に1000億円を投資することなどを柱とした経営方針を発表。

 10月にはNECが、同社のクラウドサービス事業が2012年度には1100億円の事業規模になることを表明、本気を示している。 同じく10月にはセールスフォース・ドットコムがNTTコミュニケーションズと提携し、国内にデータセンターを置くことを発表した。また正式発表はされていないが、年内にはAmazon も東京都内にデータセンターを設置することが確実視されている。

 (次ページへ続く

 

 

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混乱するクラウドの定義

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この記事の著者

新野 淳一(ニイノ ジュンイチ)

1988年に株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、IT系雑誌編集などを経て、フリーランスのライターに。2000年には株式会社アットマーク・アイティの設立に参画し、取締役就任。IT技術系のWEBサイト「@IT」の立ち上げにも関わる。2008年、「@IT」発行人を退任し、再びフリーラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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