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JAXAとNTTデータ、ハザードマップなどへの活用を目指し共同研究を実施

 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)とNTTデータは、人工衛星に搭載したレーザ高度計を活用した3次元地図の高精度化に関する共同研究を2021年1月から2022年3月にかけて実施することを発表した。

 これまで、NTTデータは、JAXA等の衛星画像を利用した全世界デジタル3D地図サービス「AW3D」を展開してきたが、通常の衛星画像では、樹木や植生に覆われた地面を直接観測できないため、森林域のハザードマップなどに必要な地盤面の観測に課題があったという。そうした課題に対し、両者は、JAXA研究開発部門センサ研究グループが研究を進めている、地盤面や森林の高さ構造を高精度に測定可能な「宇宙機搭載レーザ高度計」に関する技術の活用が有効であり、森林を含む世界中のエリアでハザードマップに適用可能だとしている。また、多様な分野での活用も可能となる3次元地図の高精度化に関する技術の共同研究も行うという。

図1:宇宙機搭載レーザ高度計のイメージ図
図1:宇宙機搭載レーザ高度計のイメージ図
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研究内容

 JAXAとNTTデータは、3次元地図を高精度化する技術課題について、以下の通り、研究開発を進める。

  • JAXA:森林の高さ構造を高精度に測定可能なレーザ高度計を用いて、地盤面の高さを正確に測定する技術
  • NTTデータ:衛星画像から作成した樹高等を含む地盤面の高さモデルおよびレーザ高度計により測定された高さデータを用いて、地面の高さモデルを正確に作成する技術

 本共同研究成果を活用して、NTTデータは、同社の3D地図サービスにおいてハザードマップ等の高精度化を実現するという。具体的には、これまで高精度のデータ取得には航空機等による観測が用いられていたため、ハザードマップ作成は先進国の主要な河川等に限定されてきた。しかし、人工衛星から広範囲に観測される高精度データを活用することで、開発途上国を含む世界中のエリアへ拡大することを見込んでいるとしている。

図2:研究開発成果のイメージ図(左:地表面高さモデルに基づく浸水予測エリア、右:地盤面高さモデルに基づく浸水予測エリア)
図2:研究開発成果のイメージ図
(左:地表面高さモデルに基づく浸水予測エリア、右:地盤面高さモデルに基づく浸水予測エリア)
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 両者は、今回の3次元地図の高精度化を実現後に、研究成果を反映したさらなる高精度化した新しい衛星センサやデータ解析技術の研究を進めるとともに、都市デジタルツインのスマートシティ分野や森林資源量把握の環境分野等への応用の研究を進める予定だという。

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