ガートナージャパンは3月7日、日本におけるテクノロジー人材に関する展望を発表した。同社によれば、2030年には業界構造がかつてない変化を遂げることが予想され、今後はすべての産業が歴史的転換を余儀なくされるという。
「これからはメタバースに代表されるフルデジタルの世界がリアリティになるため、単にIT化を言い換えたDX ではなく、真のビジネス・トランスフォーメーションが推進されるようになる」と同社のアナリストである亦賀忠明氏はコメントしている。
実際、日本におけるIT人材不足は年々深刻化しており、その人材供給は大きな課題だという。こうした現実に、これまで外部に依存していたIT技術者の内製化が日本企業で大きなトレンドとなっており、現場におけるITスキルの蓄積は進みつつある一方で、管理職のITリテラシーについての課題が顕在化。
管理職による新技術への誤解や現場による上層部への説明コストなど管理職のITリテラシーに起因する課題などから、今後は管理職もクラウドやAIといったテクノロジーに対するリテラシーを持つことが必須になるとしている。
そのためガートナージャパンは、日本企業のIT部門の管理職の7割がクラウドやAI、アナリティクス関連の認定資格を積極的に取得するようになると予測しているという。
亦賀氏は、「スキル、リテラシーの獲得は段階的に取り組みを進める必要があるが、一気に完璧なスキルを獲得することは難しく、これは、3年、5年、10年といった中長期的な取り組みになる」とした上で、長期的な人材投資に取り組む企業とそうでない企業で、存続リスクの差が大きくなるため、すぐに人材投資を始めるべきだと述べている。
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