アドビは、IDC Japanとの共同調査「電子サインの導入効果とさらなる活用に向けた今後の課題とは?」と題した調査を実施し、企業における電子サインの導入・利活用の現状分析と今後の展望についての調査結果を発表した。
この調査は、2022年5月にIDC Japanが国内に事業所を置く従業員規模1,000人以上の民間企業および政府・自治体に勤める電子サインシステムの利用者を対象に実施。
今回の調査では、ポストCOVID-19時代における企業のIT投資、働き方の変化や課題、そしてコロナ禍で注目された電子サインの利用動向などを分析し、電子サインを今後導入する、もしくは利用を拡大する方針の企業が、選定を行う際に考慮すべき要因について紹介している。
今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通り。
- 電子サインを導入している企業の94.8%が、将来的に利用を継続もしくは拡大する方針
- 電子サインを導入している企業の64.4%が、今後3年以内に利用を拡大する方針
- 企業が電子サインを利用しない一番の理由が、「自社に適した電子サインのツールがわからない」から
- 電子サインを導入して3年以上経過している企業の方が、導入効果を実感している割合が高い
電子サインを導入している企業の94.8%が、将来的に利用を継続もしくは拡大する方針
電子サインを導入している企業の将来的な利用方針について調べた結果、約3割(28.2%)が今後1年以内での利用拡大を、36.2%が今後2~3年以内での利用拡大を考えており、合わせて6割以上(64.4%)が今後3年以内に電子サインの利用拡大を検討していることが明らかになった。
加えて、約3割(30.4%)が現在の利用度合いを継続すると回答しており、電子サインを導入している企業の9割以上(94.8%)が、将来的に電子サインの利用を継続もしくは拡大する方針であることがわかったという。
企業が電子サインを利用しない一番の理由は「自社に適した電子サインのツールがわからない」から
なお電子サイン未導入の企業が現状利用していない最もあてはまる理由について調べた結果、「自社に適した電子サインのツールがわからない」が一番多く、約3割(32.9%)を占めた。
また、「導入のための社内調整が煩雑」、「関連ワークフローの電子化が進んでいない」という理由がそれぞれ約1割ずつ(9.8%・9.2%)を占めており、情報不足や社内調整の課題が電子サイン未導入の大きな要因となっている。
電子サインを導入して3年以上経過している企業は、導入効果を実感している割合が高い
企業が電子サインの導入効果を感じている上位5つの要素として、「文書保管スペースの削減によるスペースやコスト削減」、「契約期間の短縮による取引の迅速化」、「印刷代など契約業務に関わるコスト削減」、「ドキュメントの一覧性、検索性の向上による効率化」、そして「社内意思決定の迅速化」を挙げている。
これらの要素において、電子サインを導入して3年以上経過している企業の方が、調査対象全体と比べて導入効果を感じている割合が高いことがわかったという。特に、上位4つの理由では約5%前後の差があり、電子サインの活用度合いに応じて導入効果が実感されている点が見受けられるとのことだ。
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