アドビは、デジタルエコノミー/ジェネレーティブAIが消費者と企業に与える影響に関する調査結果を発表した。
同調査は、デジタルエコノミーが消費者と企業に与える現在と将来の影響を理解するため、米国、英国、デンマーク、オランダ、スウェーデン、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、日本、インド、シンガポール、タイ、マレーシアの14ヵ国における13,000人の消費者と、4,250人の顧客体験(CX)およびマーケティングの専門家を対象に実施したという。
デジタルエコノミーは経済、そして生活の中心に
同調査によると、世界の消費者の84%が、デジタルエコノミーが自分たちの生活で役割を果たしていると答え、半数以上(53%)が強い役割を果たしていると答えた。また、約5人に1人(18%)が「デジタルエコノミーはまさに経済そのものである」と答えている。
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若い消費者ほどパーソナライズされた顧客体験を期待
若い消費者は、顧客体験に対するハードルが最も高く、パーソナライズされた体験を企業から受け取ることを期待する傾向が非常に強いことがわかったという。Z世代の消費者の約6割とミレニアル世代の消費者の半数以上(53%)が、企業がよりパーソナライズされた体験を提供することを期待していると回答している(消費者の全世代平均は39%)。
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景気が悪化すると顧客体験への期待は高まる
消費者の半数が、景気が悪くなるとより良い体験をブランドに期待すると回答している。4分の1以上(28%)が、景気が悪くなると期待値が非常に高くなると回答し、ミレニアル世代では35%、Z世代では65%となった。景気が悪化すると顧客体験への期待値が下がると答えた消費者は、全体のわずか14%だった。
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顧客体験の質について、消費者の目はマーケティング担当者より厳しい
マーケティング担当者の85%が、自社が提供している顧客体験は「素晴らしい」と回答。高まる期待に対応する自社の能力に満足している一方、顧客体験に満足していると回答した消費者はわずか63%となった。
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日本の消費者はジェネレーティブAIによる顧客体験改善を期待
日本の消費者は米国と比較してジェネレーティブAIへの期待値が高いという結果が出ているという。日本の消費者の76%が「ジェネレーティブAIは顧客体験を改善する」と回答しているのに対し、米国の消費者は67%だった。
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日本の消費者はジェネレーティブAIをポジティブに評価
日本の消費者の75%が、ジェネレーティブAIを好意的に受け止めており、これは米国の46%と比較して大幅に高い数値だという。一方、ジェネレーティブAIをネガティブに捉えた回答は、日本では16%に対し、米国では21%となった。
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7割以上のマーケティング担当者がジェネレーティブAIによるコンテンツの使用を検討
日本のマーケティング担当者の77%が、ジェネレーティブAIによるコンテンツの使用を検討していると回答している一方で、「積極的に使用する」との回答は31%にとどまった。これは米国のマーケティング担当者の93%より低い結果となっている。
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消費者は今後2年間で3D画像、動画、AR/VRなどのリッチフォーマットに期待
世界の消費者は3D画像、動画、AR/VRなどのリッチフォーマットで体験が提供されることを期待しているという。
- 3D:全消費者の76%(Z世代では87%)が、オンラインストアで商品の3D画像を見られるようになることを期待
- 動画:全消費者の84%(Z世代の消費者の90%)が、商品の動画を見られることを期待
- AR/VR:全消費者の76%(Z世代とミレニアル世代の消費者の81%)が、ARやVRで商品を体験できることを期待
- デジタルから実物へ:全消費者の59%(Z世代とミレニアル世代の消費者の72%)が、オンラインまたはバーチャル環境で靴をデザインし、その実物のバージョンを購入できるなど、実物の商品に変換できるデジタル製品を期待
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