システム管理者の会は2009年12月16日、「第1回マネジメントカンファレンス ~システム管理者を応援する、システム管理者のためのイベント」を開催した。
第一生命情報システム株式会社 常務取締役の足立伸男氏の開会挨拶で幕を開けたカンファレンスでは、2つの講演とパネルディスカッションが催された。
まずは、株式会社インフォセック シニアプリンシパルコンサルタント 高橋圭二氏が登壇。「ITコストの最適化を実現するには?『不況下のIT ガバナンスの実際とその対策について』」と題して、コスト削減とシステム最適化の両立について解説した高橋氏は「COBITのフレームワークに基づいたITガバナンスの推進によって、スムーズに意思決定できるメカニズムを創出し、原価削減要因を見直し、人的資源活用の再評価を行うことが重要」だと強調した。
次いで壇上に立ったのは、ITプレナーズITIL研修EXIN認定講師、システムスコープ株式会社 代表取締役社長、サービスマネジメント・コンサルタントの前田隆氏。同氏の講演「ITIL V3のエキスパートが企業のサービスの迅速化、ビジネスの変化への対応を支えるか?」では、ITサービスマネジメントの概要とビジネス環境の変化について解説。「企業内ITサービスの推進とコスト把握をスムーズに行うことが重要である」(前田氏)。企業は、社外(技術革新・経済環境)と社内(人的能力・資本やインフラといったリソース)の双方に精通したITIL V3エキスパート(現在日本に50名)を多く輩出すること、ISO20000を始めとした認証取得を戦略的に進めていくことが近道だという。
2つの講演に続いて行なわれたパネルディスカッションでは、直前に講演を行なった前田氏がモデレータを務める中、日立システムアンドサービス株式会社 関口隆氏、東京海上日動システムズ株式会社 小林賢也氏、DIG2ソリューションズ株式会社 鈴木寿夫氏、第一生命情報システム株式会社 山本秀樹氏がパネリストとして参加した。
約6年間を掛けてITILのフレームワークを構築した東京海上日動での取り組みや、経営陣直下に内部統制委員会を配置した第一生命情報システムの事例などを紹介しながら、議論が約1時間30分にわたって議論が繰り広げられた。