
ソフトバンクは2026年4月1日、データ主権を備えたクラウドサービス「Cloud PF Type A」の提供を東日本リージョンで開始した。オラクルが提供するクラウド基盤構築ソリューション「Oracle Alloy」を活用し、日本国内のデータセンターに構築・運用する。金融や自治体など、これまでクラウド活用が制限されてきた領域での採用を狙う。
Cloud PF Type Aの中核は、Oracle Alloyを用いてソフトバンクが自社のデータセンターに構築したプライベートクラウド基盤である。データの所在・管理・運用をすべて日本国内で完結させることで、海外当局によるデータへのアクセス要求や国境を越えたデータ移転リスクに対応する。この基盤上では「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供される200種類以上のサービスを利用可能で、データベース処理高速化アプライアンス「Oracle Exadata」もクラウド環境で使える。クラウド移行の障壁となりやすい構築・データ移行・運用監視については、ソフトバンクのMSP(Managed Service Provider)サービスで対応する体制を整えた。
ネットワーク面では、OCIのプライベート接続サービス「FastConnect」と、ソフトバンクの「OnePort」および「SmartVPN」を組み合わせることで、複数のパブリッククラウドとの安全な接続を実現する。既存のマルチクラウド環境を維持しながら、特定のシステムやデータだけソブリン環境に移す選択的な活用も可能とした。
すでにシステナがCloud PF Type Aを採用し、ノーコードプラットフォーム「Canbus.」の運営基盤として稼働させている。ソブリン性を備えた環境上で業務アプリを提供できることで、金融業の承認フロー、製造業のサプライチェーン管理、自治体の住民情報管理など政府が定める「重要インフラ15分野」向けへの展開が可能になるとしている。
今後は2026年10月に西日本リージョンでの提供を予定するほか、生成AIの利用拡大に対応するGPUサービスも順次追加していく計画だ。規制や政策上の制約からクラウド移行が難しい企業・組織にとって、国内事業者によるソブリンクラウドの選択肢が広がることになる。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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