Dropbox Japanは2026年9月2日、メディアラウンドテーブルを開催し、クラウド環境におけるコンテンツガバナンスソリューション「Dropbox Protect」を日本で世界初ローンチしたと発表した。
冒頭、同社が2026年6月にアジアパシフィック地域と日本を統合した「APJリージョン」へと移行し、意思決定の迅速化と各地域の成功事例の共有を推進する新体制に移行したことをあらためて報告。APJ Sales担当ヴァイスプレジデント 兼 会長に竹内賢佑氏が、日本ビジネス統括社長に龍村洋一氏が就任した。
同社は「スマートな働き方をデザインする」というミッションのもと、ChatGPTやClaude、Geminiといった主要AIプラットフォームとの連携を推進しており、2026年4月のコネクター発表から8月時点で利用数が13倍に急増したという。こうした取り組みに続き、今回発表されたのがDropbox Protectである。同製品は、DropboxのみならずGoogle DriveやMicrosoft 365を対象に、アクセス権限や共有状況を一元的に可視化・管理するデータアクセスガバナンスソリューションだ。日本市場からの強いニーズと1年間にわたる国内企業とのPoC(概念実証)を経た共創により、世界に先駆けて日本で最初に正式提供が開始された。
クラウドストレージの普及にともない、必要な範囲を越えてデータが社内外に共有される「オーバーシェアリング」は深刻化しつつある。特にコロナ禍以降、ファイル共有の主流が共有リンクへ移行したことで、公開範囲の設定ミスや期限切れリンクの放置、退職者のアクセス権限残留といった問題が頻発。同社のAPJテクニカルソリューション統括責任者である上雄記氏は、「オーバーシェアリングのリスクは一回の操作ミスではなく、公開範囲、期限、権限、再共有といった要素が重なり合って増幅する」と指摘した。さらに、経済産業省が推進する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」への対応においても、人手による管理の限界が課題となっている。
これに対し、Dropbox Protectは「見える」「止める」「任せる」という3つのアプローチにより課題を解決。単一のダッシュボードで複数クラウドの共有状況を可視化し、不要な公開リンクや外部アクセスを即座に遮断するとともに、自動化ポリシーにより継続的なガバナンスを実現する。実際にデザインパートナーとして開発に協力した沖縄県の建設会社である屋部土建では、年間約100件の工事プロジェクトにおける外部共有の把握作業を効率化し、ガバナンス基準を達成した。
龍村氏は「いくら良いテクノロジーがあっても、お客様の運用や要件に合わなければ価値はない」と強調し、「日本企業の業務にAIが組み込まれるなか、コンテンツへのアクセス状況を正確に把握・管理する重要性は増している」と語る。また、上氏も「5年前に作成した共有リンクを覚えている人はいないのが現実だ。分かっていたけれど止められなかった状況を浮き彫りにし、次に何をすべきかを顧客とともに考えるツールにしたい」と述べ、従来のコラボレーションの利便性を損なわずにリスクを排除することの重要を説く。
なお、日本語のほかに英語でも提供されており、今後順次、他の地域でも提供開始するという。
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小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)
EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。
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