このソリューションは、2013年10月に発表した「Traffic Management Solutions(TMS)」の開発コンセプトに基づき、パケットが大量、かつ広範囲に発生するM2Mのトラフィック特性に応じて、きめ細かなネットワークの計測・分析・制御を実現するという。
データの収集・管理・見える化、および機器やネットワークの制御などデータ活用を一元的に行うクラウドサービスと、省電力、かつ拡張性を備えたM2M機器(センサーノード、ゲートウェイ)を開発し、M2M向けシステム基盤の導入に向けたコンサルティングから、システム設計、ネットワークの構築、クラウドサービスの運用、保守、さらには業務アプリケーションとの連携など、各種サービスをトータルに提供する。
このソリューションにより、現場の見える化やビッグデータ分析・利活用のためのシステムの容易な導入が可能となるという。これにより、設備の稼働状況を把握し、稼働計画や保守計画の見直しを図るなど、業務改善による経営の効率化を支援するとしている。
このソリューションでは、M2Mシステム基盤を構成する機器やネットワークは、すべてクラウド上で管理されるため、たとえば、M2M機器を計測対象につないで電源を入れるだけで、すぐにデータの収集を開始することができるという。
さらに、大量に発生する計測データは、日立の独自技術によりゲートウェイでまとめて効率よく伝送できるため、通信コストの増加を抑えてデータを収集することが可能だとしている。
発表によると「M2Mトラフィックソリューション」の特徴は次のとおり。
1. 大規模・高効率・高信頼なM2Mネットワークを実現
・大規模なM2Mネットワークにおいて、機器や回線に対する最適な制御をクラウドで実現。
・また、途切れやすい無線の性質に対応した機器間伝送を実現し、回線遮断によるデータ欠損時にも、回線復旧後に複数データをまとめて迅速に送信できるなど、安定したデータ収集が可能なM2Mネットワークを実現。
・センサーノードやゲートウェイ、クラウドサービスを連携させることで、クラウドを運用するセンターから一括して機器の設定が可能。
2. マルチベンダー対応を意識した標準技術の先行採用
・ゲートウェイとサーバ間の通信には、機器同士の通信プロトコルとして標準化策定の進むCoAP(Constrained Application Protocol)を先行採用。
・CoAPは、HTTPより軽量なプロトコルであるため、HTTPと比較して約6割の通信量削減の効果が期待できる。
3. ユーザー自身で運用最適化が可能
・センサーノードやゲートウェイといったM2M機器を自社開発し、クラウドサービスと密に連携して提供できるため、ユーザー自身がクラウドから一元的に設置機器の状態監視ができるほか、WANやFANのネットワーク動作を操作することが可能。
・たとえば、特定のセンサーノードのみ収集頻度を上げるといったきめ細かいセンサーデータの収集が可能になるなど、運用や費用の最適化が図ることができる。
4. サービスの拡張性と柔軟性を備えたクラウド
・現場環境の見える化による機器やネットワークの制御に加え、外部システムとのAPIもクラウド上で提供するため、業務システムやビッグデータ分析ツールといったさまざまなシステムとの連携も容易。
・OSGi(Open Services Gateway initiative)フレームワークの技術を採用したゲートウェイにより、データ加工やデータ流量管理などアプリケーションの動的な実装が可能。
・クラウドを運用するセンターからゲートウェイのアプリケーションを管理・配信する機能を提供し、サービスの追加・変更を柔軟に実行可能。
【関連リンク】
「M2M トラフィックソリューション」のWebページ