2015年国内タブレット端末出荷台数は前年比1.5%増で831万台
2015年通年のタブレット端末出荷台数は、前年比1.5%増の831万台となった。これをセグメント別に見ると、家庭市場向けは前年比2.1%増の589万台、ビジネス市場向けは同0.2%増の241万台であった。市場の中心である家庭市場向けタブレットは、需要を喚起しにくい状況にあり、またスマートフォンとの競合によって需要が減速し、タブレット市場全体が停滞したといえる。
2015年第4四半期のタブレット端末出荷台数は、前年同期比14.3%減の222万台で、家庭市場向けは同0.5%減の173万台、ビジネス市場向けは42.3%減の49万台となった。ビジネス市場向けの大きなマイナス成長の主要因としては、2014年第4四半期にあった教育市場向けの大型案件が2015年にはなく、その反動が現れたことが挙げられる。
タブレット市場をハードウェアキーボードが脱着できる「デタッチャブルタブレット」と通常の「タブレットスレート」に分けて見ると、2015年の出荷台数はデタッチャブルタブレット121万台、タブレットスレート709万台と、タブレットスレートが約85%を占めている。
しかしながら、その前年比成長率では、タブレットスレートの5.5%減に対して、デタッチャブルタブレットは80.0%増と大きく伸ばしている。これには、高性能タブレットとキーボードを組み合わせることで、PCの置き換えやアドオンデバイスとして導入されている景があるとIDCではみている。
アップルは出荷台数で前年比4.5%減だが、高いシェアを維持
2015年のタブレット端末出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、エイスース、NEC Lenovoグループ、富士通となった。アップルは、出荷台数が前年比4.5%減になったが、40.9%の高いシェアを維持している。また、同年第4四半期の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、京セラ、エイスースとなった。
今後の見通しに関して、IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、「デタッチャブルタブレットは、その軽量さとスマートフォンのように画面タッチによる操作ができること、またハードウェアキーボードを搭載できることから、家庭市場を中心にPCの置き換えやアドオンが期待でき、2016年以降、出荷が増加することが予測される。PCベンダーから見た場合は、PCの減少を補うことができ、またユーザーから見た場合は、ポータブルPCよりも安価でPCと同等のパフォーマンスを得ることができる」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行する「Worldwide Quarterly Tablet Tracker」にその詳細が報告されている。IDC Trackerは、IDC独自の調査手法に基づきICT製品・サービスの市場規模・ベンダーシェアの実績や市場予測を定期的に提供するデータベース製品。