この製品は、「Secure Stateless Tokenization(SST)」と「Format Preserving Encryption(FPE)」という2つの機能を持ち、「SST」はクレジットカード番号を数学的な関係性を持たないトークン(値)へ変換する。
これにより、クレジットカード会社やクレジットカードを取り扱う加盟店において、万が一サイバー攻撃によりトークン化した番号が漏えいしても、元のクレジットカード番号への復元が不可能なため、セキュリティ面が強化されるだけでなく、クレジットカード情報を取り扱う事業者のセキュリティに関する国際規格であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の監査対応工数の削減が可能だという。
また、「FPE」では、文字数や文字形式といった元データの形式を保持したままシステム内に保有する住所、氏名などの個人情報を匿名化(暗号化)する。これにより、顧客情報をビッグデータ活用したい企業において、既存システムへの影響を最小限に抑えつつ個人情報の匿名加工を効率化する。
なお今回、日本国内での販売開始にあたり、NECで保有する日本語処理のナレッジをMicro Focusに技術協力・提供することで、匿名化対象の文字列として英数字だけでなく漢字・カタカナ・ひらがなにも拡大し、日本語の氏名、住所も匿名化できるようにした。
このサービスの特徴は次のとおり。
1. PCI DSSの監査対応工数を削減(SST)
クレジットカード番号を数学的な関係性を持たないトークンへ変換し秘匿化する。これにより、クレジットカード会社や加盟店において、万が一サイバー攻撃によりトークン化した番号が漏えいしても、元のカード番号への復元が不可能なため、クレジットカード番号の漏えいを防ぐことができる。
また「SST」では、トークン化した情報を保存するデータベースサーバの構築が不要なため、データベースの導入コストや運用コストを低減できる。さらに、PCI DSSの対応において、クレジットカード番号を取り扱うシステム全体が監査対象となるが、システム内部で取り扱うクレジットカード番号をトークン化することで、クレジットカード番号の非保持扱いになるため、トークン情報のみを取り扱うシステムをPCI DSSの監査対象外とすることができる。
2. 個人情報の匿名加工を効率化(FPE)
マイナンバーや運転免許証、交通系ICカードなど、任意の数列や文字列を無意味な情報に変換して匿名化する。データベース上のデータを管理コンソールから参照する際に、自動的に匿名化して表示、CSVへの出力も可能。ビッグデータ活用のために個人情報の匿名加工を行う際、匿名化するためのデータ加工を手作業で行う必要がないため、作業ミスの防止や作業効率化を実現。
また今回、日本国内向けに販売開始するにあたり、NECで保有する日本語処理のナレッジをMicro Focusに技術協力・提供した。これにより日本で「FPE」を活用するうえで欠かせない、日本語(漢字・カタカナ・ひらがな)に対応できるようになった。
また、この製品販売開始と同時に、「Voltage SecureData」の導入に関するSI、アプリケーション開発支援などのメニューを、グループ会社であるNECソリューションイノベータから提供する予定だとしている。