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マイクロソフトのOSS戦略は進行中、来年にはターニングポイントを迎えられるか?

 マイクロソフトのここ数年の変化は大きい。2014年にCEOにサティア・ナデラ氏が就任してからなのでおよそ3年半ほど。それまで「それならマイクロソフトの○○をどうぞ」と顧客の目的に沿う自社製品を勧めていた。データベースならSQL Server、メールならExchangeなど。もちろん営利企業として当然のことだ。ところがマイクロソフトはまるで手のひらを返すかのようにオープンソースに歩み寄るように舵を切った。歴史的に見れば、マイクロソフトはオープンソースとは対局にいた存在だ。10年前、あるいは5年前、マイクロソフトが「Microsoft(ハート)OSS」と掲げるなんて誰が想像できただろうか。  

マイクロソフトが心変わりした背景には何があるか?

 日本マイクロソフトは2017年11月17日、記者向けに日本におけるAzureのオープンソース戦略について説明会を開催。同社のオープンソースへの歩み寄りはどこまで進んでいるか、どのようなアプローチで進めていくかを解説した。

 説明会当日に中心で話をした、日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 業務執行役員 本部長 浅野智氏の目の前にもさりげなくオープンソースを象徴するペンギンのタックス君が置かれていた。今やマイクロソフトは自社製品だけではなく「オープンソースもどうぞ使ってください」と顧客の選択肢を増やしている。  

日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部
業務執行役員 本部長 浅野 智氏

 背景にはオープンソース、クラウド、人工知能などの普及がある。デジタルトランスフォーメーションに象徴されるような新しい試みを見ると、多くのプラットフォームが全面的あるいは主要な部分にクラウドとオープンソースを採用している。  

 データが急速に増加していくなか、もう自社だけでインフラを調達して運用するのではパワー的にもコスト的にも立ちゆかない。そこでプラットフォームにはクラウドが選ばれる。ソフトウェアは技術面の優位性だけではなく、カルチャー面でも新しい動きをけん引しているオープンソースが選ばれてきている。

 また、人工知能も急速に延びているため、そうした動きに適応できるようにマイクロソフトは動いている。  

 もう1つマイクロソフトが見据えているものを加えると、分散協調型コンピューティングがある。クラウドが進む一方、デバイスの増加でエッジ側で処理するエッジコンピューティングも進んでいくとなると、クラウドとエッジで協調する分散協調型コンピューティングにも対応していく必要がある。

次のページ
マイクロソフトのオープンソース戦略はここまで進んだ

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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