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サイバーセキュリティの知見を「セーフティー」に生かしていきたい――トヨタ自動車 守屋英一さん

 サイバーセキュリティ分野の第一線で活躍している守屋英一さん。全てを知り尽くした上で堅実にキャリアを積み重ねていると思いきや、実は「できっこない」と思うことも無理を承知で挑戦することも。未知なる世界に飛び込み、多くの発見と学びを得てきた。守屋さんがこれまで歩んできた道、これから目指すものとは。

素材メーカーからIT業界へ――後回しにするはずが、うっかりISSに応募

 愛知県豊田市のトヨタ自動車の本社近くにトヨタ会館という施設がある。トヨタ自動車の最新モデルや製造工程などが展示してあり、ちょっとした博物館だ。そこにトヨタ自動車の作業服で守屋英一さんが現れた。2018年2月からトヨタ自動車に転職し、今は情報セキュリティ推進室に所属している。

守屋 英一 さん
トヨタ自動車株式会社 情報セキュリティ推進室
2016年中央大学大学院 戦略経営研究科経営法務専攻経営修士(専門職)課程修了、2001年インターネットセキュリティシステムズ(ISS)に入社。2007年日本アイ・ビー・エム(IBM)に入社。セキュリティオペレーションセンター運用責任者、IBM Computer Security Incident Response Team(CSIRT) Forensic analystを務める。2015年より内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)上席サイバーセキュリティ分析官を経て、2018年2月より現職。  

 守屋さんの自己紹介の多くが「2001年よりインターネットセキュリティシステムズ(ISS)」から始まる。セキュリティに関する経歴はここから始まるからだ。しかし実は、その前にもキャリアがある。工業化学を専攻していたため、素材メーカーに就職。工場勤務も経験した。そのためだろうか、まだ入社して数ヶ月なのに作業服姿に違和感がない。ぐるっと回って工場がある世界に戻ったようだ。  

 素材メーカーに就職して数年が過ぎ、守屋さんはあらためて自分のキャリアを考えた。「子どものころ、将来の夢を持ちませんでした。リアリストだったので」と守屋さんは言う。では子どものころは何をしていたのかと問うと、「学校が終わるとすぐ帰宅し、外で遊ぶことなく家で本を読んでいました」と答える。この読書習慣が後の執筆の土台になったのかもしれない。「他には?」と聞くと、「TMネットワークの曲で踊ったり」と。それはちょっと意外。 

 自らの少年時代とは対照的に、守屋さんは「これからの子には夢を持ってもらいたい」と考え、スクールカウンセラーに興味を持った。しかし専攻外なので、学び直す必要があり、お金も要る。それとは別にITにも興味があった。守屋さんは「工場勤務に比べたら(IT業界は)スーツを着て、名刺交換したりして、キラキラした世界に思いましたが、実際は勤務時間が長く、常に新たな課題に挑戦する必要があり大変でした。」と笑う。 

 ITの中でもセキュリティに興味があった。きっかけはかつて読んだマンガ。守屋さんは「『サイレントメビウス』というSFマンガの中で、サイバー攻撃シーンがありました。具体的にどのようにすれば攻撃ができて、どのように防御するのか知りたくて」と話す。 

 ただしITもセキュリティも全くの未経験。まずはどこかのIT企業で基礎知識をためてから、セキュリティの道に進むことを計画した。転職サイトで次に転職するインターネットセキュリティシステムズ(ISS)を目にしつつも、「ここは難しそうだから、いつか」と考えていた。ところが、うっかり応募してしまった。「チェックが残っていたんですよね。一括応募先に。外したはずだったのに」と守屋さんは苦笑いする。 

 うっかりミスに焦りながらも「(未経験だし)無理だろう」と考えていた。そんな予想に反して書類選考が通り、面接へと進んでしまう。それでも「入れないだろうけど、記念に」とISSに向かう。最終的には「記念」で終わらず、入社が決まった。ここから守屋さんのセキュリティのキャリアが始まる。

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SOC監視を通じてリアルなサイバー攻撃を目の当たりにする

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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