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アナリティクスで得られるインサイトをビジネスプロセスにつなぐ―Salesforce Einstein Analytics

データによる過去の状況の把握とこれから行うべきアクションのための予測が1つに

 Einstein Analyticsではダイナミックなビューを用いて、Salesforceプラットフォームの上で実行されているビジネスプロセスの全体像が見える。そこで何か気になるものが見つかれば、ドリルダウンして詳細な情報にシームレスにアクセスし確認できる。分析結果の可視化表現も多様で、傾向を把握し変化の様子もすぐに認識可能だ。

 また、ユーザーは会話形式でインタラクティブにアナリティクスの機能を利用できる。これらのアナリティクスの機能全てが、Salesforceのプラットフォームに上にある。そのため、得られたインサイトをきっかけにして、すぐにCRMのアプリケーションなどを用いてアクションを起こせる。

 Salesforceでは、もう1つアナリティクス機能を提供している。それが買収したBeyondCoreをベースとした「Einstein Discovery」だ。Einstein Discoveryでは、コードなどを書くことなしにデータの関連性を把握し、インサイトが得られる。データサイエンティストがいなくても利用でき、拡張性のある予測分析をすぐに行うことができる環境となっている。

 「Einstein Discoveryは、データから導き出されるストーリーをクリック1つで発見できます。そこからビジネスアウトカムにつながる予測が行えるのです」(カーカニス氏)

 Einstein Discoveryは、Salesforceのクラウドサービスの中に組み込まれた形で利用できる。たとえば、コールセンター担当者が問い合わせのあった顧客の状況をSalesforceの画面で確認する。その際には過去に何があったかだけでなく、これからどうなるかの予測も提示されるのだ。顧客のこれからの行動が予測できるので、担当者は次にどのようなアクションを取ればいいかの判断がすぐに行える。

 もちろんこういった機能は、営業プロセスでも同様だ。営業担当者がSalesforceにアクセスすれば、まずは自分が今、確認すべきことがプッシュ通知される。「これはデータのほうが、ユーザーに近づいてきていることでもあります」とカーカニス氏。そして通知された中から必要な情報をクリックして確認する。そこに表示される情報にはコンテキストがあり、Salesforce Einsteinにより重要だと判断された根拠のKPIの説明も表示される。その上で、案件獲得の可能性のレートが高くなるであろうアクションも予測して提示されるのだ。

 「Einstein Discoveryでは、アナリティクスとインテリジェンスが同じ画面に現れます。営業担当はそれらを毎日確認することで、何が起きているかの実績がまず分かります。そこから次に何をすべきかを確認したければ、Einsteinがお勧めするアクションの上位4つの項目がすぐ横に表示されているのです。1つを選んでクリックすれば、そのアクションのオポチュニティも確認できます。重要なのは予測が出て、予測マージンがなぜそうなっているかの説明が出ることです。マージンが上がる理由、下がる理由が提示され、そこから自分が取るべき行動を判断できます」(カーカニス氏)

左の画面で現状の把握ができ、すぐ右の表示で予測されたWinレートが上がる理由、下がる理由も確認できる
左の画面で現状の把握ができ、すぐ右の表示で予測されたWinレートが上がる理由、下がる理由も確認できる

 その上で、この画面から実際に顧客にコンタクトを取ると言ったアクションを取ることができる。アクションを起こせばSalesforceの情報もリアルタイムに更新され、次なる行動のための予測に反映されることになる。

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Einsteinのインテリジェンスを活かすにはビジネスに対する好奇心が必要

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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