SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

週刊DBオンライン 谷川耕一

SAP ERPの「2025年問題」を考える

 2019年には元号が変わる。さらには消費税率変更があり、それに伴う軽減税率制度の実施もある。既存のさまざまなシステムが、これらに対応しなければならない。そのため、IT業界は今かなり忙しい。この忙しさは日本特有だが、少し先にもIT業界を揺るがす課題が待ち受けている。それがSAP ERPの標準サポートが終了する「2025年問題」だ。

IT部門はやりたくなくても近々にERP環境を見直さなければならない

 SAP ERPを使っている企業は、これからの7年程の間にSAP ERPの後継製品となる「SAP S/4HANA」に移行するのか、あるいは別のERPに乗り換えるかを決断しなければならない。基幹系システムであるERPを移行するとなれば、その計画からテストまでに少なくとも1年から2年の時間が必要だろう。大規模なプロジェクトになることは必至だ。また2025年よりも前に、SAP ERPを動かしているハードウェアのサポートが切れるかもしれない。そうなれば、この決断はもっと早く行なうことになる。

 そのせいか、昨年あたりからオンプレミスのSAP ERPをIaaSベースのクラウドへ移行する話をよく耳にする。これはSAP ERPからS/4HANAへの移行という大がかりなプロジェクトの前に、とりあえずクラウド化しSAP ERPを延命化する措置だろう。SAP ERPの2025年問題は、当然ながら競合にとってはビジネスチャンスだ。ERP市場では若干遅れ気味でもあるマイクロソフトも、Dynamics 365で市場シェア獲得を目論んでいる。

 SaaS版のERPはオンプレミス版をほぼIaaSに載せただけのものも多いが、最初からクラウドネイティブなSaaS ERPとして開発されたものや、クラウド化に合わせクラウドネイティブ化したものも増えている。前者の代表はOracle NetSuiteやWorkdayだろう。SAP S/4HANAやOracle Fusion Appsは、クラウドで利用することを前提に既存のアプリケーションの移植ではなく新たに作り直したものとなる。

 マイクロソフトは、オンプレミスから始まったMicrosoft Dynamics AXを基に、Dynamics 365 for Finance and Operationsを提供している。これにはオンプレミス版とネイティブ化したクラウド版があり、S/4HANAやOracle Fusion Appsなどと競合する大規模企業を対象とした製品となっている。もう1つ中堅、中小企業規模の市場をターゲットとした、NetSuiteなどとも競合するDynamics 365 Business Centralがある。これはMicrosoft Dynamics NAVを基にしたもので、これもネイティブ化したクラウド版とオンプレミス版が用意されている。

 このDynamics 365 Business Centralは、マイクロソフトの製品だが日本、中国、香港、タイ、ベトナム向けのローカライゼーション機能を提供するのはパシフィックビジネスコンサルティングだ。パシフィックビジネスコンサルティングでは、Dynamics 365 Business Centralの日本国内での販売開始に合わせ、これら5ヶ国の商習慣に合わせた機能を追加し各国の言語にローカライズしたものの提供を発表した。このローカライゼーション機能は、パシフィックビジネスコンサルティングからDynamics 365 Business Centralを購入する場合には、顧客は追加費用無しで入手できる。

 マイクロソフトでは、Dynamics 365 Business Centralのビジネスをパートナーともに展開している。世界には3,500あまりのパートナーがおり、日本ではパシフィックビジネスコンサルティングがその主役だ。このDynamics 365 Business Centralは、前述のように中堅から中小企業向け製品だ。1ユーザーで月額10,880円からとなっており、安価に利用を開始できるのが特長だ。安価ではあるが機能的には大企業向けのDynamics 365 for Finance and Operationsと同等のものがあると言うのは、パシフィックビジネスコンサルティング取締役 戦略事業推進室 室長の吉島室良平氏だ。

次のページ
2層ERPモデルでいくかハイブリッドでいくか、いっそ刷新するか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/11095 2018/08/28 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング