Dell Technologiesの8つの事業体で「デジタルテクノロジー主導の価値創造サイクルの実現」する
「デジタルテクノロジー主導の価値創造サイクルが企業の競争力を創出する」―こう語るのは、デル株式会社 代表取締役社長の平手智行氏だ。この価値創造サイクルというのは、IoTやモバイル端末の活用で生まれる膨大なデータを分析してそこから知見を得て、知見を活用して新たなサービスや商品を生み出すというものになる。そして、新しいサービスや商品が新たな顧客体験を生み出し、その顧客体験からさらに膨大なデータが生まれ、それを使って再び新たな価値を創造するというサイクルだ。
このデジタルテクノロジー主導の価値創造サイクルでは、「ユーザーインターフェイスに対しユーザーエクスペリエンスで大きな利益を企業にもたらします。またユーザーエクスペリエンスがさらに膨大なデータを生み出し、新しいサイクルとなります。このサイクルを速く回すほど、企業の競争力は高まるのです」と平手氏。サイクルを速く回す今後の手段としては、5Gの通信環境も活用することになる。そしてこの動きは一部のデジタル技術を率先して使ってきた先駆的企業だけでなく、一般企業であっても同様に求められている。
Dell Technologiesでは、「デジタルテクノロジー主導の価値創造サイクルの実現」のために、現状8つの事業体でソリューションを提供している。エッジソリューションにもなるクライアントPCのDell、ストレージとサーバーのDell EMC、アジャイル開発のPivotal、セキュリティについてはRSA、SecureWorksがあり、エンタープライズ用途に特化したクラウドサービスのVirtustream、さらにマルチクラウド、ハイブリッドクラウドを支えるソフトウェア技術のVMwareがある。そして今年から「データ統合を行うBoomiが加わっています」と平手氏。Boomiは、市場で既に多くの実績ある製品だとのこと。これら8つの領域の製品からサービスに至るまでを、適宜組み合わせ「インテグレートした形」で提供できるのが、Dell Technologiesの強みになっていると主張する。
Dell Technologiesの製品やサービスで具体的に実現を目指しているのが、企業のデジタルトランスフォーメーション、既存のインフラを効率化してデジタルトランスフォーメーションにもつなげるインフラ・モダナイゼーション、働き方改革にもつながるワークフォース・トランスフォーメーション、そしてあらゆるレイヤで必要とされるセキュリティ・トランスフォーメーションの4つとなる。
たとえばIoTなどのエッジから入り、デバイスやセンサーで取得されるデータを適宜集める際にはセキュリティが必要になる。集められたデータは、ソフトウェア・デファインドで実現されるデータセンターで処理され、データレイクに蓄積される。データレイクに蓄積された大量のデータを分析するには、高性能なサーバーを用い機械学習技術などを活用することになる。分析から得られた知見を使って新たなアプリケーションを作る際には、アジャイル開発で迅速に展開することになり、そこではPivotalが活躍する。新たなアプリケーションと既存のレガシーなシステムの間でデータをやりとりする必要があれば、Boomiが活用されることになる。これらそれぞれでセキュリティの機能も必要になれば、RSAやSecureWorksが活躍することになる。つまりはこれら一連のどのシーンでも、Dell Technologiesの製品、サービスが活用できることになるわけだ。
ただ単にそれぞれの製品を各ビジネスシーンに当てはめたのではなく、企業に対してソリューションの形で提供する。そのために、製品への開発投資もDell Technologiesでは積極的に行っている。過去3年間の技術開発投資は、12.8ビリオンドルに達する。そしてこれら一連のソリューションは、Dell Technologiesだけでなくパートナーと一緒に提供することになるという。