SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

IT Compliance Reviewスペシャル

内部統制を作るんじゃない、内部統制で、作るんだ

内部統制を現実離れしたおとぎ話にしないために考えるべきこと

われわれが目指すのは、「いまある現実」を変えること。内部統制は目標ではなく、道具だということを、しっかり理解して進める必要があります。

まだ、アメ車がほしいのですか?

 内部統制構築が進んでいるように見えても、まったく機能していない、というのが昨今の企業の実態でしょう。きれいな絵は描けたが、なぜか回らない、そんなぼやきが聞こえてきます。内部統制報告で及第点が取れるかどうか、大いに心配されているところです。

 ここ数年、COSOフレームワークだの、J-SOXだの、米国直輸入の概念が喧伝され、企業の担当者は「知らぬは恥」とばかりにそれらに振り回されてきました。その姿を見ると、戦後、米国のクルマ、クーラー、カラーテレビの3Cにあこがれて、必死に追いつこうとした姿とダブってしまいます。

 米国には米国の事情があり、米国流の対応をしてきました。ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国にもそれぞれの事情があり内部統制とは少々異なるガバナンスシステムを導入しています。

 この点金融庁も、八田先生も実に明快に「日本型内部統制を作るべきだ」といい、米国SOX法の直輸入の弊害を指摘し、違いを強調しています。米国の内部統制が、アメ車のような超大型乗用車だとすれば、我が国の内部統制は燃費の良い軽乗用車といった具合です。

でも、アメ車は車庫に入らない?

 企業法務、内部統制プロジェクトの面々は、大変素直で勉強熱心です。知らないことがあれば何でも勉強して理解しなければならない、と思っています。

 そして米国発の無尽蔵のビジネス提案に翻弄され、頭の中まで米国化しています。その結果、コンサルさんの作り上げた内部統制の図柄を丸呑みして、導入を進めようとするのです。まさにアメ車がいいと信じているのです。

 こうして、勉強熱心な方々を中心に米国型「内部統制を作ろう」とするわけです。きれいな図柄の、完成された図柄のとおりの内部統制を作れるものと信じて、まい進しようとするのです。しかし、残念なことにきれいな図柄と現実の姿の乖離が激しく、たちまち破綻します。我が国には到底導入できない代物なのです。ところがすでに社長の同意を得てしまっていますので、強引に命令して、進めるほか無いという訳です。

次のページ
社長車も軽自動車にする勇気

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
IT Compliance Reviewスペシャル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

牧野 二郎(マキノ ジロウ)

牧野総合法律事務所 弁護士。1995年にインターネットに出会い、翌年、ホームページ「Internet Lawyer 法律相談室」を開設して話題になる。 制度整備を通して、情報社会のあり方、自己実現の方法など、積極的な係わりを提言している。日弁連情報問題対策委員会委員。文書の電磁的保存等に関する検討委...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/1184 2009/02/12 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング