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躍進するVeeam、次の一手はバックアップ技術を軸としクラウド・データ・マネジメント領域へ

Azureと組み合わせてデータを活用するためのVeeamの提案

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 杉山氏も「クラウド移行後にローコード、ノーコードでアプリケーションを構築できれば、ビジネス部門の人たちでもAI技術などを使えるようになるでしょう」と言う。

 様々な人がクラウド上でデータ活用する時には、まずは利用するデータを確実にバックアップし、管理する必要がある。そのためのVeeamの提案として、まずはAzure環境に効率的にデータを持っていくVeeam Cloud Tierを紹介した。これを使えば、アーカイブを管理する場所としてAzureが利用できる。そしてAzure BLOBにデータを置くことで、単にデータを保管するだけでなく新たな活用のためのデータソースにもできる。

 もう1つの提案が、Veeam Recovery to Microsoft Azureだ。これはオンプレミス含むカスタマープレミス上で取得されたバックアップを使い、数ステップでシステムをAzure上でリカバリする機能だ。「手動で切り替える簡易的な災害対策サイトとしても使え、本番のクラウド移行はもちろん、まずはクラウド移行を簡単に試しうまく動くことが確認できたら移行するといった使い方もできます」と杉山氏。

 そしてOffice 365上の企業データの管理はもちろん、その利活用のためのソリューションとして紹介したのが、Veeam Backup for Microsoft Office 365だ。Office 365のインフラ環境の保護はMicrosoft側で行われる。しかしサービスの上にあるデータに対する管理や保護の責任は、ユーザー側にある。そのため、たとえば人のオペレーションミスなどでなくなったデータの復旧や、監査などのために情報を保管し必要なものをすぐに取り出したいといった要望には、ユーザー側で対処しなければならない。

 これらの要求に応えるのがVeeam Backup for Microsoft Office 365で、ポイントインタイムでOffice 365のデータを世代管理できる。世代管理されたデータを使って過去と現在の状況の比較や、監査に必要な情報を迅速に取り出せる。

 さらに杉山氏は次期バージョンに含まれる現在ベータ版の機能ではあるが、Data Integration APIも紹介した。このAPIを利用すればバックアップデータの中を、サードパーティのツールなどに参照させることができる。これらの機能は、PCI-DSSやGDPR等のコンプリアンス対応や、今後はクラウド上でのさらなるデータ活用につながるものとなる。

 最後に古館氏が、「Veeamの技術は基本的にはバックアップですが、それをクラウド・データ・マネジメントにまで拡張しています。これをによってVeeamは、企業のデジタル変革を支援する会社になります」と言い、VeeamON FORUM Tokyoの全てのセッションを締めくくった。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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