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「CRO JAM - 急成長SaaS企業が実行するレベニュー組織のつくり方 -」レポート なぜ急成長SaaS企業にはCROがいるのか?ARR/MRR最大化のための組織と人材

edited by Operation Online   2019/10/22 06:00

「CRO(Chief Revenue Officer)」と聞いた時、あなたはどんな役職を想像するだろうか。マーケティングの最高責任者のCMOでもなく、営業を統括するCSOや営業部長でもない。売上目標の達成に全責任を持つのがCROという存在である。この記事では、2019年10月3日にFORCASが主催したイベント「CRO JAM - 急成長SaaS企業が実行するレベニュー組織のつくり方 -」で行われた2つのパネルディスカッションのうち、第一部の「なぜ今、CROが求められるのか」の模様を紹介する。

進行:株式会社ジャパンベンチャーリサーチ 執行役員 シニアアナリスト 森敦子氏<br>パネリスト:<br>ベルフェイス株式会社 取締役 マーケティング事業部長 西山直樹氏<br>スマートキャンプ株式会社 取締役COO 阿部慎平氏<br>株式会社FORCAS 執行役員CRO 田口槙吾氏<br>

進行:株式会社ジャパンベンチャーリサーチ 執行役員 シニアアナリスト 森敦子氏
パネリスト:
ベルフェイス株式会社 取締役 マーケティング事業部長 西山直樹氏
スマートキャンプ株式会社 取締役COO 阿部慎平氏
株式会社FORCAS 執行役員CRO 田口槙吾氏

CROとはどんな役職か?

ベルフェイス株式会社 取締役 マーケティング事業部長 西山直樹氏

ベルフェイス株式会社 取締役 マーケティング事業部長 西山直樹氏

森:今日のテーマは「CRO(Chief Revenue Officer)」です。最初に現在の組織の規模と皆様の役割から確認させて下さい。

西山:2015年創業のベルフェイスは、営業が使うWeb会議システム「bellFace」を提供する会社です。社員数はこの1年で倍増。間もなく100人に到達しそうです。内訳はビジネス側が半分の50人、残りの半分がエンジニアリングやコーポレート。この他に業務委託のエンジニアが数10人ほどいます。私の役割は、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの全体最適化を図るビジネスイネーブルメントになります。

阿部:2014年に創業したスマートキャンプは、法人向けSaaS比較サイトの「BOXIL SaaS」を中心に複数の事業を展開しています。現在の社員数は70人弱。私はCOOとして、西山さんと同じようにマーケティングからカスタマーサクセスまでの統括のほか、広報や人事も見ています。他の事業は私が全部を見ていますが、BOXILのビジネスは創業からということもあり、役割分担をしています。

田口:FORCASはABM(Account Based Marketingの実践を支援するクラウドサービスを提供しており、2017年10月にできた会社です。私はCOOを経て、2019年4月にCROに就任。以来、お二人と同じように、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスのバランスを見ながら、何をすれば売上が最大化するかを考え、実行することをミッションとしています。

森:全員がマーケティングからカスタマーサクセスに至るまでを見ていることが共通点ですね。社員の規模を整理すると、ベルフェイスが100人、スマートキャンプが70人、FORCASが50人となります。この後の話では、この数字を頭に入れておく必要がありそうです。普段はどんなKPIを見ていますか。

田口:CROなのでMRR(Monthly Recurring Revenue)です。MRRが1円でも増えるならば、新規顧客の獲得、既存顧客の解約阻止、アップセル/クロスセルまで何でもやります。時間の使い方の割合で言えば、新規獲得の営業に50%、カスタマーサクセスに40%、残りを新人指導に充てています。2カ月前は80%が営業、20%が指導だったので、その時々で変わりますね。

私の役割は部分最適と全体最適を両立し続けることだと考えていて、臨機応変に人員配置を変えることもやります。例えば、マーケティングが不安定だったので、本人の希望も確認した上で、トップセールスにマーケティングに異動してもらったこともありました。

阿部:私もMRRですね。今期の計画を立て、達成に必要な打ち手を講じることが私の役割です。B2BのSaaSビジネスでは、マーケティングからカスタマーサクセスまでをブレイクダウンすると、フィールドセールス一人あたりいくらぐらい受注できそうか、カスタマーサクセス一人あたりいくつの案件を持てそうかを予想することが可能です。私の場合、その延長線上で採用業務にも関わっていますが、細かく見ることは大変なので、4つの機能ごとにマネージャーを立て、週一回の定例ミーティングで進捗を確認し、必要に応じてサポートするようにしています。

時間の使い方としては、営業はしません。計画、進捗確認、各マネージャーとのOne-on-Oneミーティングなど、誰かと話していることが多いです。

西山:二人と同じです。機能ごとにマネージャーを置き、その4人に権限を移譲しています。マネージャーたちは目の前の数値と成果を追いかけるあまり、問題が顕在化して初めて気が付くことも少なくありません。なので、私は中長期的視点から潜在的な問題がないかに常に目を光らせています。毎週の進捗確認時に、つまずきそうなところを見つけたら手を打つことが私の仕事です。KPIはMRRなので、解約の金額も重視しています。

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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