SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

週刊DBオンライン 谷川耕一

クラウドプラットフォームとしても進化を続けるOracle Exadataが目指すところ


 Sun Microsystemsを買収したことで、Oracleがエンタープライズ・ソフトウェアベンダーからハードウェアのベンダーにもなったのは2010年のことだ。あれから既に10年、当時Sun Microsystemsが扱っていたハイエンドなUNIXサーバーやストレージ製品は、時代の変遷とともに市場で目立つ存在ではなくなった。しかしながら、OracleとSunが一緒になったことで生まれた新生Oracle Exadataを筆頭とするエンジニアド・システムは進化を続け、Oracleにとって重要な戦略製品であり続けている。

ハードウェアを自ら開発、販売し、それを自分たちのOracle Cloudでも活用する

 主要なクラウドベンダーの中で、自らハードウェア製品を開発し、それをパブリッククラウドのインフラに利用し、一般にも販売しているのはOracleくらいだろう。なので現状のOracleのエンジニアド・システムは、Oracleのソフトウェア製品を動かすのに最適化するだけでなく、パブリッククラウドのインフラで動くことを前提とした設計にもなっている。

 エンジニアが個人でOracle Exadataを購入し利用することは、価格からも現実的ではない。しかしOracle Autonomous Database Cloudのサービスなら、安価なサブスクリプション型費用で利用でき、それで市販されているExadataと同じものを利用することになる。SaaSも同様で「あらゆるOracleのSaaSは、Oracle Exadataで動いています」と言うのは、Exadataの開発担当シニア・バイスプレジデントのコディー・ウママゲスワラン氏だ。OracleはSaaSを含め、クラウドのビジネスにかなり力を入れている。同社のクラウドビジネスが伸びれば、自ずと稼動するExadataの台数も増えることになる。

 Exadataは、自社クラウドだけでなく顧客企業のデータセンターなどで稼動するのオンプレミスでの利用も増えている。Exadataのビジネスが成功している理由の1つは、当初から取り組んできたミッションクリティカル用途に耐えうる可用性の高さ。「クラウド環境でミッションクリティカルなシステムを動かすようになれば、極めて高い可用性を求められます。Oracle Exadataはファイブ・ナイン(99.999%)以上の可用性を実現しており、フォルトトレランスのための機能を備えています」とウママゲスワラン氏は言う。

 またExadataは、新しいテクノロジーにも積極的に対応し進化を続けている。これもまた、顧客の購入意欲を刺激するだろう。2019年9月に提供を開始した「Exadata X8M」では、永続性メモリ(Intel Optane DC Persistent Memory)と100ギガビットのRDMA(リモート・ダイレクト・メモリ・アクセス) over Converged Ethernet(RoCE)を組み合わせることで、ストレージ・ボトルネックを排除しOLTPもアナリティクスも、さらにはIoTやストリームデータからの不正検出や高頻度取り引きなどの過酷なワークロードにも対応できる性能向上を果たしていると、Oracleでは主張する。

Exadata_永続性メモリ

Exadata_永続性メモリ

 この永続性メモリの活用は、インテルとの深いパートナーシップがあればこその成果。インテルとは3年、4年先の将来を見据え情報共有をしているとウママゲスワラン氏。インテルとはさらなるOracle Databaseの高速化の協業も進んでおり、データベースのセキュリティを高めてもそのための処理オーバーヘッドをチップレベルでほぼゼロにするような仕組みの開発にも取り組んでいる。

 他のチップレベルの取り組みとしては、NVIDIAとの協業もある。現状、本来ならGPUでやったほうが効率的な処理命令をCPUで実行している部分もあり、そういった処理にGPUを活用できるようNVIDIAと協力している。

 またストレージ部分での性能向上も、4、5年先のハードウェアの進化を見据え行っている。直近の新機能としてはストレージサイドで処理を行うスマートスキャンで、JSONやスペーシャル(空間)データタイプを扱えるようにした。さらにグラフデータも対象としており、構造化したデータだけでなくさまざまなデータタイプを効率的に処理できるようにしている。

次のページ
クラウド環境で使うからこそ求められる新たな要件

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12683 2020/01/23 15:17

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング