「クローズドループ製造」で中堅・中小企業のインダストリー4.0化を
コロナ禍以前から、製造業はIoT、AIなどの新技術を駆使した“インダストリー4.0”の対応が迫られている。
規模が大きくない製造業がどのように最新の技術を活用してモダン化をはかり、デジタルトランスフォーメーションを進めることができるかーー中堅・中小企業向けのセッション「Future Proofing for Industrial IoT(将来も投資保護できる産業IoTを構築する)」でHPEのMichael Meek氏(中堅・中小企業ソリューションプロダクトマネージャ)が紹介したのが、「クローズドループ製造」だ。
クローズドループ製造の考え方としてMeek氏は、「プロセスを細分化し、反復を続けて、最終的な成果に至るまでに何が起こっているかを把握する」と説明する。各プロセスは接続されており、自動化されているため、製品から得られる情報を基にパーソナライズされたサービスを提供したり、顧客のニーズを製造プロセスや新製品の設計に組み込むなどのことが可能になる。
「決め細かくパーソナライズされた製品の提供により顧客との関係を継続的なものにできる。また、顧客のニーズを取り入れることで競争優位性を得られる」とMeek氏。製造業は、複雑化するサプライチェーンと生産、倫理的調達や環境への配慮など社会的な圧力も大きく、規制への準拠が求められているが、クローズドループ製造はこれらへの対応にもつながるという。
HPEではクローズドループ製造を実現するエッジからクラウドまでの製品を揃える。Meek氏は、エッジでデータを処理するエッジコンピュータ「HPE Edgeline EL300」、小規模だが必要な処理能力を提供する「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」などのサーバー製品、そしてネットワークでは「Aruba Instant On」を紹介した。
これらのソリューションや技術を利用することでクローズドループ製造を実現できると同時に、安全性も確保できる。「エッジからクラウド、機械学習、ビックデータなどのテクノロジーを製造向けに集め、自己学習、予防的メンテナンス、デジタルフロアプランなどにつなげていくことができる」という。
Meek氏は最後に、「小さく・ゆっくり始めること」「修正したい工程を1つ取り出し、IoT化を促進してROIを測定する。ゆっくりと1つずつ進めて、価値につなげていく」とアドバイスした。