「Azure Stack HCI」でMicrosoft、HPE、AMDが組んだ期間限定キャンペーンがスタート
HPEのハイブリッドクラウド戦略では、パブリッククラウドとの協業が欠かせない。クライアント/サーバー時代からの重要なパートナーであるMicrosoftは、パブリッククラウド「Microsoft Azure」を展開する一方で、Azure環境をオンプレミスでも得ることができる「Azure Stack」を提供する。その最新の動きが、2019年に発表した「Azure Stack HCI」だ。
HPE DiscoverでAzure Stack HCIについて説明したMicrosoftのシニアプログラムマネージャ、Matt McSprit氏は、「ソフトウェア定義スタック技術によりストレージ、ネットワーキング、コンピュートを業界標準のx86サーバーに統合し、簡単に導入できる革新的な技術」とHCIを説明する。容易な導入に加え、性能、信頼性、冗長性、拡張性などもメリットだという。
Azure Stack HCIでは、「Windows Server 2019」をベースとした仮想化の「Hyper-V」、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)を検証済みのハードウェアとセットで提供する。Windows Serverライセンスに無償で同梱されている「Windows Admin Center」を使った運用管理、そして「Azure Backup」「Azure Site Recovery」「Azure FileSync」などのAzureサービスと統合できる設計も特徴という。
最小で2ノード構成から可能で、「小さくスタートして拡張できる」(McSprit氏)。Hyper-V上でLinuxの仮想マシンも動かすことができる。管理ツールについても「Windows Admin Center」だけでなく、「Windows PowerShell」や「System Center VMM」なども使える。
用途としては、5つのユースケース、支社や拠点での利用、VDIでの利用、高性能のSQL Serverへの利用、セキュリティが重要な仮想化としての利用、スケールアウトストレージとしての利用などを紹介した。たとえばVDIでは、Microsoftのリモートデスクトップサービスだけでなく、Citrix SystemsなどパートナーのVDIを組み合わせることも可能。また高性能のSQL Serverの例では、「HPEのモダンなハードウェア技術が持つ冗長性、性能をSQL Serverで得られる」とMcSprit氏、Azure Backupと組み合わせることで保護をさらに強化できる。
HPEはここで、「DL380 Gen10」「DL360 Gen10」、それに「ML350 Gen10」や「Edgeline EL8000」「Apollo 4200 Gen10」「Synergy 480 Gen10」など多数の検証済みハードウェアを用意している。
McSprit氏はその中から、MicrosoftがHPE、AMDと展開するパイロットプログラムを紹介した。AMDのCPU「AMD EPYC "Rome"」をベースとしたHPEサーバー「DL325 Gen10」「DL325 Gen10 Plus」「DL385 Gen10」「DL385 Gen10 Plus」を購入すると、Windows Server 2019 StandardまたはDatacenterライセンスが1ソケットにつき32コアプロセッサ以上は無料になるという期間限定プログラムだ。
例えば2ソケット・64コア構成、合計128コアを購入する場合、必要なライセンスは各ソケット32コアでよい。「64コアの場合は50%、48コアは33%の節約になる」とMcSprit氏。このプログラムは2020年8月スタート、2021年6月31日まで展開予定だ。なお日本での展開は企画中である。