ミュージシャンを「動かす」バンドマスター経験がビジネスに活きた
−−過去の職歴をご紹介していただけますか。最初からIT業界でしたか?
笹:商学部でしたので、コンサルティング会社のPwCに入社しました。90年当時はミッドレンジコンピューティングとしてダウンサイジングが活発なころで、企業でコンピュータが身近になっていました。経営コンサルタントとして入りましたが、実質的にはITコンサルタントで業務パッケージに携わっていました。
−−新卒でコンサルティングファームに入るのは先見の明がありますね。
笹:当時はバブルで学生が青田買いされる時代でした。どういう仕事をしたいか明確に決めていなくて、音楽活動をまじめにやっていたこともあり、1年間ゆっくり考えようと休学してイギリスに留学しました。イギリスから帰国すると、バンドの先輩がPwCにいることがわかり、PwCに決めました。
−−英語力を身につけるは外資系には特にアドバンテージになりますよね
笹:イギリスにはヨーロッパ各国からの学生が多くいました。多種多様な文化に触れ、ブリティッシュイングリッシュも学べていい経験でした。相手の文化背景や個性を考えてコミュニケーションすることも学びました。
−−IT業界で活躍する人にはバンド経験者が多い気がします
笹:音楽とバンドは役に立っています。私はバンドマスター、バンドを率いることを13歳からしていて、CDもリリースしています。自分より演奏スキルが高いギタリストやドラマーを自分の世界観に合うように動かして、アウトプットを出すには相手を尊重することが大切です。また音楽は耳を発達させます。言語スキルやプレゼンスキルの向上に役立っていると思います。話す時には常に頭の中でエイトビートが刻まれていて、間をとったりしています。こうしたところでバンド経験が活きています。